渦中で考えずに問題を外から眺める
よく「問題を抱える」と言いますが、問題が大きくなると「問題のなかに自分がいる」という状態になります。こうなると日常を送りながら解決するのが難しくなります。そんなとき、問題について考える「場所」を変えるだけでも、冷静さと前向きな気持ちを取り戻せます。
よく「合宿」を開きます
僕が代表をしているれんげ舎では、年に2回、全員参加の合宿が2泊3日で開かれています。何をするのかというと、自分たちの日頃の活動を振り返り、どちらに進みたいのかを考えるためです。
そんなのオフィスでも出来そうなものなのですが、オフィスは日常のエネルギーで充ちています。そこで普段話し合われているのは、一言で言えば「この活動を、どうすればもっとより良いものに出来るか?」ということです。
でも、合宿で扱うのは、「そもそも、この活動はやる(続ける)べきなのか?」とか「もっと他にやるべきことがあるのではないか?」という、全体像について取り扱います。
普段「どうすれば美味しいカレーを提供出来るか?」を考えているカレー屋さんが、「そもそも、カレー屋でいいのか?」という問いを立てるということです。
リトリート効果
最近はよく「リトリート」と呼ばれる場が開かれていますね。このような場は昔からあって、信仰を持つ人々などの間でも行われていました。
「日常から離れて引きこもる」というのが、リトリートという場のエッセンスです。
日常から離れることで、「日常そのもの」を俯瞰することが出来る。俯瞰出来れば、「こうしたい」とか「これはもうやめたい」とかいう気持ちの整理にも役立ちますし、「まずこれをやって、次にこうすべきだ」という戦略のようなものも立てやすくなります。
自分らしい日常を取り戻す契機になるわけです。
家庭の問題は家の外で話し合う
こうした考え方は、個人レベルや家族レベルでも有効です。
家庭内で問題を抱えたときには、それをリビングやキッチンや寝室などで話し合いがちです。ちょっとした問題解決にはそうした「ちょっとした話し合いの場」をまめに持つことでやりやすくなります。
でも、冒頭に示したように「問題を抱える」という状態が悪化し「問題のなかに自分がいる」というような状態になると、家のなかのどこにいてもその問題の渦中から逃れられません。
渦中で考えない
そんなときは、家の外で話し合います。場所を変えるだけですが、これだけでも全然違います。ファミレスでもホテルでもいいので、話が出来る別の場所に移動して話します。
ある所でこの話をしたら、「家庭の問題を抱えていたときに、家族と毎晩外にお茶を飲みに行っていた」と感想を伝えてくださった方がいました。不安や苦しさを抱えながらも前を向くために行動した気持ちが伝わってきて、胸がきゅんとなりました。
問題の渦中で考えるというのは、洗濯機で洗濯されながら洗濯機について考えるようなもの。それじゃ冷静になれないし、本心では(心の底では)前を向きたくてもそれが叶いません。
場所だけでも変えてみる。
問題解決の良いスタートになりますように。
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