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分かってもらう努力をやめる

自分のやりたいこと、やっていることの意味や価値を、誰かに分かってもらいたい──そんな風に思うとしたら、それはとても自然なことだと思います。分かってもらえたら、やっぱり嬉しいですよね。でも、分かってもらえない場合に「分かってもらう努力」をすべきかというと、必ずしもそうではないようです。


分かってくれる人と仕事をしたら?

僕の尊敬する先生で、ある大学の教授のK先生という方がいらっしゃいます。れんげ舎がいまやっている事業分野に進出しようとしている頃で、お酒を飲みながら、そのことについての話を聞いてもらっていました。

もう何年も前の話なのですが、その時にいただいたアドバイスが、ずっと胸に残っています。それは「分かってもらう努力をやめる」ということに関するアドバイスでした。

「れんげ舎は、れんげ舎のやっていることを分かってくれる人に向けて事業をしていったらいいと思うんです。無理に彼らの言葉を使って、彼らの業界に合わせて、自分たちのことを分かってもらおうとせずに、こうなんですというのをこちらから見せて、分かってくれる相手から選んでもらったらいいと思います」

肩の力が抜けて力が湧いてきた

K先生はとても謙虚な方なので、丁寧な言葉で、僕にこのように言ってくれました。その瞬間、胸のつかえがとれて、ふぅ〜〜〜っと息が楽になったような気がしました。

新しい分野に出て行くということは、簡単にいうとアウェイに出て行くということです。知名度も低い分野に、特殊な異物として参入していくことになります。「業界用語」だって異なります。通常のマーケティング的な発想から、「分かりやすく伝えなければ」とすごく意識していました。

そんな僕の様子を見抜いたのか、K先生は「分かってもらう努力なんかやめたら」とアドバイスを下さったのです。

自分たちらしくやっていこう

自分が、そんなに気負っていたとは思いませんでしたが、肩の力が抜けたということは、力が入っていた証拠ですよね。

「分かってもらおう…!」

僕の場合、この気持ちが力みにつながっていました。そしてよく言われるように、力んでしまっては、その人らしさもその人のポテンシャルも発揮されなくなってしまいます。

やるべきことはやるし、合わせることは合わせるけれど、「相手に気に入られよう」とするのではなく、実態に根ざした言葉で語って、相手にこちらとつながるのかどうか決めてもらえばいい──そう思えました。

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