「神秘的な体験」に弱い人へ
あなたは、いわゆる神秘的な体験をしたことがありますか？
何もかもが現在の科学で説明できるわけではありませんから、「不思議だな、神秘的だな」と感じる出来事があっても、驚く必要はありませんよね。僕も「あれは神秘的だった…！」という体験をしたことがあります。
神秘体験に価値はあるのか？
スピリチュアル好きの人は、こういう神秘体験みたいなことが好きな人が多いですよね。信仰をお持ちの方や、心理学の専門家の方のなかにも、関心をお持ちの方が多いかもしれません。
特にそういうことではないんだけど、それでも自分には神秘的としかいいようのない体験がある…とい方もいるでしょう。
神秘的な体験があると、多くの場合、気持ちが高ぶります。奇跡的な出来事を体験するわけですから、無理もありません。そんな強いインパクトのある神秘体験ですが、そこにはどんな価値があるのでしょうか？
神秘体験はそれ単体では価値はない
僕は、神秘体験それ単体だけでは、さほど価値はないと考えています。なぜ価値がないと言い切れるかというと、before→afterでの変化に乏しいからです。
「すごい体験をした！ 私の人生ここから変わるかも！」
そんな風に思っても、実際には何も変わりません。人生を変えるためには、そのための行動を起こさなければならないからです。
神秘体験によって引き起こされる意識の高揚感は、自分の内側の出来事です。そのことによって、社会はもちろん、自分の身の周りだって変わりません。変化をもたらすためには、この人間社会の流儀にのっとって、行動する必要があるからです。
神秘体験を求める心の危うさ
神秘体験のインパクトは、日が経つとどんどん薄れていきます。そのことで興奮し「人生変わるかも！」と期待でいっぱいだった気持ちも、変わらない日常が戻ってくることで次第にしぼんでいきます。
神秘体験から単純な学びを引き出すことは難しい場合が多いですが、それでも「あの体験を、自分の生活に活かそう」という気構えは必要です。
そうじゃないと、人は「また次の神秘体験をしたい」「もっとすごい体験がしたい」と、次なる興奮を求めるようになります。考えられないような高額なお金を支払ってしまう人もいるのは、「目の前の日常を忘れて、次の興奮が欲しい」と願う心は、ドラッグに依存しているのと同じだからです。
神的な体験であっても、私たちは生身で人間社会を生きています。そのことを通して、やれることをやっていく。大切な気構えではないでしょうか。
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