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【日本が世界をリードするAI領域】国際会議Human-Agent Interaction

Human-Agent Interaction (HAI)という研究領域をご存知の方はまだ少ないかもしれません。

しかし、HAIはこれから社会実装が期待されていて、日本が世界をリードしている研究領域です。


2018年12月12月15日から18日までの4日間、イギリスのサウザンプトン大学にて、国際会議Human-Agent Interaction (HAI) が開催されました。


HAIでは、簡単に言えば人とロボットが協力して、人だけでもロボットだけでもできないことを実現してしまうような技術を扱っています。

なぜ、日本がHAIで世界のトップを走っているのか

国際会議HAIに論文を投稿すると、採択される論文は半分以下です。
採択された論文を見ると、なんと過半数が日本の論文なのです。

なぜそんなにも日本が強いのでしょうか。
それは、日本人の感覚がHAI研究ととことん親和性が高いからです。

もともと、日本は自然と調和する文化を持っています。人間以外との共存する感覚がつよいのです。その思考はSFにも現れていて、海外で「AIの反逆」をテーマにしたSF作品が多い中、日本ではロボットと人間が共存している姿を描いた作品が多くあります。その代表例がドラえもんでしょう。

もっと具体的な例で言えば、「人目を気にする」の「人目」はHAIにおいて重要な感覚ですが、海外の方に聞くと、「人目」という日本語に対応した英語は思いつかないそうです。そもそも言語レベルで、感覚に差が出るのです。

弱いロボットから学ぶHAIの強力さ

HAIの強みがわかりやすい例として、「弱いロボット」というものがあります。

人混みの中で、ゴミを拾うロボットを実現するのは難しかったりします。ゴミを認識して、アームを動かしてゴミを拾って、ゴミ箱に入れる。これだけでもなかなか難しいのですが、それに加えて人を避けて動かなければなりません。せっかくロボットが人を避けても人に邪魔されることもしばしばあります。

そこでHAIからでたソリューションは、「ゴミを拾うことができないゴミ箱ロボットをつくる」というものでした。

ゴミに向かってゴミを拾いたそうに歩み寄る。だけど拾えない。その姿に人はつい、「助けたい」と思ってしまい、多くの人がゴミを拾ってあげるのです。

人だけでも、ロボットだけでも、ゴミをなくすという目的を達成するのは難しくても、人とロボットを協力させることで驚くほど簡単に実現できるのです。

HAIは今社会実装されるべき技術

HAIを用いれば、人と人工物を協力させる仕組みを作ることで、技術的なハードルをグッと下げつつ、大きな効果を得ることができます。

だとすれば、今現在AIと呼ばれる技術が完璧でなかったとしても、HAIを利用することで技術の成熟を待たずして、実社会応用できる糸口を見つけられるかもしれません。

今まで実用レベルに達せずに断念されてきたことでも、もう一回チャレンジできるのです。

2019年の国際会議は日本開催!

2019年は、HAIが日本で開催されます。

これを機会に一度遊びに来てはいかがでしょう。

ビジネスマンの方々との接点が、研究もビジネスも、きっと促進していくはずです。


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