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うまくいかない時は風向きを変えよう。風を止めることはできないのだから。

「物事にも風向きがあるんだよ」と教わった。
 うまく進むことができない時は向かい風。ただ運が悪いことが原因な時もあるし、自分で風に向かうことをわざわざ選んでいる時もある。それなら、自分が向く方向を変えて、風向きを変えればいい。風は止めることはできないのだから、と。

 そう話してくれたのは私がレッスンを受けに通っているヨガの先生だ。彼女のもとにパーソナルレッスンに通うようになって、ちょうど1年が経つ。
 彼女は暖かくて身体の底の方にどっしりとしたパワーのある人だ。太陽か月なら絶対に太陽に似ている。けれど、直射日光のようではなくて、よく日が差す窓辺みたいな温度感を持った人だ。

 レッスンのはじめに毎度「来てくれてありがとうね、元気だった?」と聞かれるので、私はこの1年「はい!おかげさまにて元気です!!」とニコニコ優等生のような回答をしてきた。けれどこの日初めて「あんまり元気じゃないかも、です」と言った。言えたのだった。一大決心だった。
 けれど先生は特段驚かなかったし、目立って心配そうにもしなかった。
「そうかあ、恋のこと?仕事のこと?」と、ただそれだけ。私にとってそのカラッとした言葉の湿度がちょうど良いので、安心して話ができる。

 今回は仕事のことだった。ここ1週間ほど、びっくりするほど仕事がうまく進まず空回りした上、同僚から向けられた言葉のトゲが刺さったまま抜けずに、ひどくぐったりしていた。
 寝ている間は考えなくて良いからと無理矢理眠ってばかりいたし、床に放置された脱ぎっぱなしの服を見ても片付ける気にならず「ああ、なんだか今の私みたい」とただ思うくらいに消耗していた。

 ぼそぼそ、とあったことを話した私に、先生が教えてくれたことがタイトルにした風のことだった。物事にも風向きがあるんだよ、ということだ。

 誰かの言葉で傷ついても、最後は自分で癒やしていくしかないし、自分で自分を満たしていくしかない。気持ちが淀んだのであれば、自ら窓を開けて換気すればいい。それは空気の循環と同じ。換気をせずに淀みに居続けることを選んでいるのも自分。ヨガの練習はその練習にとっても良いから励もうねと。

 ヨガってとってもいいのだ。私は先生である彼女のことと、彼女から教わるヨガが大好きで、パーソナルレッスンが終わることには、自分がとても良いものになったような、自分が生きているだけで価値があるような、そんな気持ちになれる。

 風を止めることはできない。自分が進む向きは自分で決めて。明日を少し良い自分で過ごせるように、明日も風に乗っていく。

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