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運命とか立命とか宿命とか⑰

「夜明けのすべて」という映画について、もう1つ考えたこと。

それは、PMS(月経前症候群)について。上白石萌音さん演じる藤沢さんは月に1回重いPMSがあります。動けなくなるくらい体がしんどい状態になり、感情がコントロールできなくなり、誰かを強く攻撃してしまうほどの苦しい症状です。
私も結婚する前は食事も生活も不安定な状態が続き、そのせいもあって生理痛が重く、いつも薬に頼っていました。結婚して子どもができてからは生活が整い、食事も健康的なものになり生理痛は以前に比べラクになりました。
しかし、2人目の死産の後のこと。
死産を経験して、すぐに子どもが欲しかったという心理状態が続いていた頃、なぜか、生理前につわりのような症状になることが多くなりました。毎月つわりのように吐き気やだるさに襲われその度に「もしかして子どもを授かったのかも」という明るい兆しを感じていた矢先に生理がはじまり「やっぱり、、、」とどん底に落とされるという状況が続きました。毎月そんな期待と絶望をジェットコースターのように自分の中で消化していると、何だか心が辛くなっていきました。
もう年齢的に妊娠しづらい時期にはなっていたので、少しずつ期待も薄れていき、自分で自分に希望を持たず、ただ落ち込むばかりになり、何回も繰り返していくうちに、妊娠のことは考えないようになっていました。
時が経ってから、「夜明けのすべて」の映画上映がされる頃、PMSという言葉を知りました。PMSを調べると、つわりのような症状というのもあると書かれていました。「そうだったのかぁ」と納得しました。
子どもが欲しいと切に願っていた時に、毎月つわりのような経験をするのは、とても酷です。でもそれは、何らかの意図を感じます。この経験があったことで、踏ん切りつかない状態だった「子供を授かりたい」という思いに自分の体と向き合わせてくれたことで、自分で諦められたのです。
私は藤沢さんほど、重い症状ではありません。でも、女性はどうしようもできない心や体の問題と付き合っていかなくてはならないこともあります。
私は管理職である主人に、自分の体のこと、PMSのことなどできるだけ伝えるようにしています。それは、女性の部下がいるからこそ、知っていて欲しいからです。全てを分かってもらえるとは思いませんが、山添君のように辛い時に傍にいてくれるような人がいれば、きっと救われます。それで良いと思います。

「運命とか立命とか宿命とか⑱」に続きます。


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