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産後、妻がどう大変なのかを言語化してみた  だいたいは産後は人格が崩壊する

最近よく耳にするようになった産後ウツ。


産後や育児のストレスからくる精神疾患を産後ウツや育児ノイローゼというがその違いの定義がはっきりしていないのでここでは産後ウツと呼ぶことにする。


そして最近よく耳にする虐待。


虐待をする人は基本的に精神疾患を患っている。テレビではよく目にするが、実際に自分の周りでは聞いたことがない。


だけど虐待とは別に産後ウツの余裕のなさからくる一時的なパニックなどによる虐待に近いものは結構身近だと思う。


例えば、


泣き止まない赤ちゃんに「うるさい!」と怒鳴ってしまったり


「だまって!」と揺さぶってしまったり、口をふさいでしまったり・・・


(※これは虐待というよりは一時的なパニックというほうが正しい気がしている。子供を愛しているのに自分が追い込まれた結果、発作的にとった行動にハッと我に返るって猛省するパターンのほうで、長年に渡って子供を虐待するような精神疾患とはまた違うと思う)


産後ウツにならないために重要なことは出産前に産後のウツのメカニズムを理解して対策を練ることに尽きるとおもう。


そして産後どういう状況に陥るのか具体的にあげてみる。


家で育児をしている妻、日中は働きに出ていていない夫に知っておいたほうが良いと思うことをあげていく。


・産後の新生児の育児中はどういうことが起こるのか?深刻な睡眠不足 ~睡眠不足は人格を崩壊させる~


私は産む前までは 


「育児なんて楽勝でしょう。3時間おきって一日6時間寝るとして1回起きればいいだけじゃん」と思っていた。


だけど実際は、3時間置きの授乳といってもまず新生児はミルクをうまく飲めないので


ミルクを飲むこと自体に時間を要するし、


哺乳瓶を洗ったり、消毒したり、げっぷをさせるまでも時間がかかるし、


ミルクを飲ませたら赤ちゃんはすぐに寝るわけではなく


しばらく抱っこをしていなくちゃいけなかったり、(置いたら泣く)やっと赤ちゃんを寝かせたと思ったら、


「次の授乳まであと30分しかない!」


そして細切れ睡眠に慣れていないこの時期ってすぐに寝付けない。


しかも赤ちゃんのことが心配で色々考えてしまう。


こんなに小さい赤ちゃんはちゃんと息をしてるのか、呼吸が止まっちゃうんじゃないか、


もしミルクを吐き戻して気管に入って死んでしまったらどうしよう・・・


と心配で心配でとにかく眠れない。


そんなことを考えているうちに次の授乳時間がくる。


寝かしつけたはずの赤ちゃんが途中で起きて立ってゆらゆらするということもよくある。(うちのパターン・・・)


それに母親は産む前までは夜に寝て朝に起きていたわけだから、いきなり昼に数回づつ寝るという習慣に移行できない。


だが、徐々に体がそういう生活スタイルに慣れてきて1か月くらいで細切れ睡眠(15分寝てまた起きてなどまた30分寝て起きてといった感じ)ができるように体が進化を遂げていく。


1日や2日の睡眠不足とはわけが違う。壮絶な出産を終えてからすぐに約2か月はまともに寝られない。


1日3ー4時間の睡眠で本当にフラフラなのだ。


しかもまとめて寝れるわけではなく15分寝て、次の15分寝て・・・といった感じなので全然寝た気がしない。


ここまで睡眠不足に陥ることって人生でそうそうないと思う。


しかも、赤ちゃん次第なので次にいつ仮眠できるかわからない状態だ。


とにかく母親(育児を中心にしているほう)が睡眠を確保できることが大切。


体を壊しかねないし家庭の平和のため。


ホルモンバランスの乱れが本当にヤバい!


そして、母親は産後2か月くらいの間って、ものすごい勢いでホルモンバランスが崩れている。


ホルモンバランスってそんなに大事なの?と思うかもしれないが、もうホルモンバランスで性格が作られているといっても過言ではない。


母が更年期障害でホルモンバランスが乱れまくってたときに、実際に起こった出来事。


私が流しにたまっていた食器を洗った。すると母が大激怒して号泣しまくった。


理由はあまりよく覚えていないが、たしか自分がダメな母親だと思っているでしょうとか、責められている感じがするとか


帰ったらやるつもりだったのになんで先に手をだしたのだの、よくわからないことを言っていた気がする。


明らかに普段の母じゃなかった。


そのころは私も10代で更年期障害という言葉も知らなかったが今なら理解できる。更年期障害もホルモンバランスの乱れなのだ。


ホルモンバランスが大きく崩れるって自分が自分じゃなくなること。


深刻な睡眠不足とホルモンバランスの大反乱で


夫が言った何気ない一言にたてついたり、どうでもいいことにいちいち傷つくし涙が溢れてくる。


普段だったら、はいはい、で交わせることが交わせない。


育児を手伝おうとしている夫が何か意見すると猛烈に腹がたつ。「そんなことわかってるわよ!じゃああなたがやってよ!!!!」となる。


「そんなこと」ができないくらいに疲れている、正気と考える力と体力を失っている。



目には見えなくても体はボロボロ


それはもう事故に遭ったときと同じくらい体は大ダメージを食らっている。


妻の外見からはわからなくても産後1か月は子宮から出血が止まらないし、


子供が出てきた穴も裂けていて縫われていて傷口が痛くて立ち上がることさえ困難だし


座っていても寝ていてもズキンズキンと痛むのに授乳のために痛み止めは飲めない。


痛み止めをだされてもやはり心配で飲まない人が多い印象。


夫婦2人だけで新生児を育てるのは物理的に無理がある


今新生児の育児の感想は?と言われたら「死ぬかと思った」と答える。


出産の痛みよりも命の危機を感じた。人間ってここまで寝なくても死なないものなんだなぁ・・・と考えていた。


息子が新生児のころは、夫は7時に家を出て19時に家に帰ってきて


帰ってきたらミルクをあげたり、沐浴をしたり、皿を洗ったり、


赤ちゃんをずっと抱っこして寝かしつけたりして0時に寝るといった生活だった。


夜ご飯は義母が毎日届けてくれていたし、実母も毎日来て日中5時間は手伝ってくれていた。


それでも!!!!!


とにかく睡眠不足と、ホルモンバランスの乱れと、育児への不安と、陰部の痛みで、涙がふいにあふれてきたり、とにかくしんどくてしんどくてしんどかった。


もちろん赤ちゃんはめちゃめちゃ可愛くて、可愛さのあまりまた写真をとったり見惚れて睡眠がとれないこともたくさんあった。


幸福と壮絶が入り混じっていた2か月。


そして新生児期を乗り切れたのは本当に母のおかげだった。


これ、夫婦2人きりで乗り越えられるものなの?それこそ産後ウツまっしぐらじゃないの?と思う。


私の夫は協力的なほうだと思うけど、はやり夜中の授乳を代われないのなら正直あまり戦力にはならない。


うちは夫が運転をする仕事なので夜中の授乳をやると言ったとしても断っていたとは思うし、泣き声で睡眠不足になって事故にでも遭ったら大変なので別の部屋で寝ていた。



もし夫婦2人だけで育てるとすると夫の帰宅後からは完全に育児を交代してもらうレベルのヘルプをしてくれないと全然足りない。


しかも夜中の授乳を代わるくらいでないとそれはもうヘルプにもなっていない。


もしも完全母乳を目指しているなら、自分以外の人に代わってもらうこともできない。


夫がタフな人だとそれでいけるのかもしれないけど、多くの人は日中働いて帰ってきたらへとへとになっていてしっかりと睡眠を要する。


なので、夫婦2人で育てる場合は外部のサポートが必須だと思う。


妊婦検診のときに地域の外部サポートの一覧をもらえるはずなのでチェックしておこう。


子供ができてから妻が変わったという話


子供ができてから嫁が変わったんだという話はよく聞くが、


極度な睡眠不足とホルモンバランスの乱れからくる人格の崩壊に加え


股がマジで痛くて立っても座っても苦痛、


それに1か月も血を垂れ流しているくらいの打撃をくらっているから単純に


体調が超悪いのに眠る時間がないから傷を癒すこともできないというところからきている。


ただの1日の睡眠不足ではないのだ。


ただ一日だけなら次の日そこそこ寝ればすぐに回復する。


壮絶な出産を終えた日から2か月はまともに寝れない。


2か月だ。3,4日の話ではない。


かといって夫だって昼間仕事をしているのだから夜中に寝るなというのも酷な話だし、事故に遭わないか心配だ。


そもそも大人2人に対して1人の新生児を育てることは物理的に無理がある。


夫はまさか、見た目は普通の妻の体の中で起きている血みどろ事件や、


穴裂け縫合のことは頭にないだろうし、2か月にわたる極度の睡眠不足を


経験したことはないだろうから睡眠不足で人格が崩壊することは出産前に知っておいたほうが良い。


ホルモンバランスの乱れも大きく関係していることも夫婦で知っておくべきだ。


そして2か月以内にはだいたい治まるし生活のリズムができてきて、


細切れ睡眠ができる体へと進化していく。


こればっかりは自分の体で体験してみてはじめてわかることだから、出産前には思いもよらないことだと思う。


夫婦ともに人生初めてのことだらけだ。


そこをちゃんと出産前に夫婦で解っておくと、夫も妻を手伝おうとアクションをするだろうし、妻もその気持ちが嬉しいし(役に立つかどうかは別にして)産後ウツになりにくいと思う。


国のサポート体制はどうか?


私が産んだ地域では悪くなかった。


出産前に、育児で困ったときの相談窓口や、本当に育児が困難な場合にボランティアで手伝いに来てくれるサービスも紹介してくれた。


出産後も1か月くらい経ってから保健師の方が家に尋ねてきて色々相談に乗ってくれたし児童館での相談も随時受け付けていた。


それでも国のサポートってとても利用しづらい。


初めからサポートを頼るのはかなりの勇気がいることだ。


こんなこと人に言ったら、母親なのに!自分の子供も満足に育てられないのか!と非難されるのではないだろうか・・・


みんなそうやって苦労して育ててきたんだよ。


あなたのは甘え。など思われるかな・・・


だって世の母親たちというのは、めちゃめちゃバッシングされる立ち位置で、


「育児論」とか「母親としての常識」、という武器でストレス発散のためにガンガン攻撃される対象だ。


少しでも違うことをしていたら攻め立ててダメな母親を成敗してやろう。


正してやろうというストレス発散の方法が今も昔も大人気だ。


SNSで子供のこと投稿していたら、これは虐待にあたるとか、ティッシュや水で遊んでいるところを投稿したら環境破壊だの色々言われまくるのはよく聞く話。


「あなた母親でしょ?」「あなたそれでも母親なんですか?」


そんな世の中で、国のサポートを果たして頼っていいのか・・・


睡眠不足なのはみん通る道なんだよね・・・


ホルモンバランスが崩れるのもみんな同じなんだよね?


みんなこんなに体調が悪い中頑張ってるんだよね?


母親だから頑張らなくちゃ・・・


という思いが強くでて人を頼らず甘えてはいけないと自分に言い聞かせている間にに気づいた時には産後ウツになっている感じだと思う。


そうなると自分のことが精いっぱいでサポートを頼ろうという発想すら浮かんでこない。


とにかく周りに頼る人がいなくて夫婦2人だけで育てる場合は堂々とシッターを雇うなり地域のサポートをうけるなど積極的に活用すること。


核家族化して産後ウツになる人が多いからこそ地域にサポートがあるのだ。


サポートする側は母親失格だなんて思わないし、一人でも多くの母親を助けたいと思っているのだ。


頼ることは恥ずかしいことではないし、堂々と頼ればいいし、


知られたくなければわざわざ人に話す必要もない。


母親が笑顔で育児をしていることが育児をする上で一番大切なことなのだ。


ピリピリした空気で世話をされるのは赤ん坊だってたまったもんじゃない。


産後ウツにならないために新生児を育てるリアルを知って対策をしよう


これまでのことをまとめると、

・極度の睡眠不足とホルモンバランスの乱れからくる人格の崩壊、腹部や陰部の痛み、睡眠不足から回復できない体で体調は最悪という状況。体がボロボロで初めての答えのわからない育児をすることへの不安、環境の変化への戸惑いが産後ウツのメカニズム。


夫婦でしっかり理解しておけば、夫もサポ―トし、妻も心が安定する。


親が頼れる人は親を、地域のサポ―トやシッターは積極的に利用しよう。


生まれてから調べる時間はないのでガンガン利用する予定ですぐに活用できる準備だけはしておこう。


もしそれらを利用しない場合は


夫が仕事から帰ってきたら育児を交代して夜中の授乳を代わって妻はひとまず睡眠を確保しよう。


とにかく産後ウツにならないためには一番大変な新生児期の育児で


1にも2にも睡眠の確保が一番重要なのだ。


これ以外の方法でも夫婦が良い形で出産前に「睡眠の確保」について話し合っておくと良いと思う。


ホルモンバランスついてはもう治まるのを待つしかない。


だけど我が子は本当に愛おしくてかわいい。その顔を見てまた頑張れるものなのだ。



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