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エッセイ

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#言葉

できるだけ端を歩く

できるだけ端を歩く

「なんかさ、もういいかなって思うんだよね。」
友人にそう漏らしたことがある。
具体的な何かではなく、とにかく全てに対して。
自分の目の前にある空気とか、温度とか、色とか、そんな曖昧なものも含めて全てに。

彼は、おそらくそれを「死にたい」と受け取った様子だった。
厳密には、「死にたい」という欲求すらも湧かないくらい、何かをしたいと思えなかった。
「何もしたくない」ではなく、「何も考えや感情が湧かな

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