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暴れる父を許せるようになったこと

天狼院ライティングゼミに通ってます。
そろそろ卒業。
その課題。
今回は天狼院に掲載されました!!よかったー!

うちの父は、アクティブな人間である。

母とはもう別れて10年以上経つけれども、
なかなかに元気が有り余ってるタイプの人間だった。

お酒を飲めばお酒に飲まれる。
壁に穴が開く。
コタツの足は蹴りで折れる。
土鍋の蓋を割る。
酔っ払った勢いで階段からずり落ちてくる。
なかなかな家庭である。

ここまで聞いて、
穏やかな優しそうな父ではないということがよくわかると思う。
そんな父に向けて、先日【感謝の色紙】を書いた。


自分の命は、
先祖代々から伝わってるものだから、
自分のまず親を大切にしましょう。

どこかの経営塾で、そう習った。


母とは2日に一度は必ず電話をしているような仲良し。
なので、これは父のことをしなければと思い、
感謝の手紙を書こうと思った。
でも、待てど暮らせど何も出てこない。

手紙は長いから、色紙にしよう!!

そこからら子どもたちにも
「おじいちゃんに感謝の色紙を書こうと思うんだ」と宣言をした。
でも、待てど暮らせど、色紙が手元に来ない。

それはそうだ。
買ってないのだから。

店に行くと「色紙買わなくていいの? 」って子どもに聞かれる。
けれども「今日じゃないのよねー」と言って買わない。

結局買うまで2週間かかった。

なぜかって?
買ったら、とうとう書かなくちゃいけなくなるから。


家の中では、アクティブな父だが、
外では非常にモテる人だった。
家庭人としては、向かないのだろう。
でも、人としてはそれなりにいい男らしい。
自分をないがしろにしてでも、女の人を守ろうとする。
絶妙に不器用な優しさを兼ね備えてる。
そのアンバランスさが、きっとモテるんだと思う。

だからこそ3回結婚して、3回別れているんだと思う。

ちなみに私と弟しか子供はいなかったので
異母兄弟みたいな子はいないけれど、
知った時は、なかなかに衝撃的だった。


そんな状態なので、
とにもかくにも、書きたくない。

筆が進まない。
行動が遅い。
何がこんなに私を遅くさせているんだって言う位である。


娘にせかされ、
やっと色紙買おうとレジに並ぶも、
財布のチャックが重い。

こんなに財布って、重かったかしら?
100円玉を取る手が震える。


何とか色紙を買い終わり、
家に帰ってからも
書店の袋から出すことができない。

書こうと思うから、 
机の上には置いてあるが、
いざ書こうとすると何も思い浮かばない。


椅子に座る。
机に向き合う。
色紙を袋から出して……色紙を袋にしまう。

この動作を1日に5、6回。

書こうと思って座っては、書けずに終わる。


4日それを続けて、
やっと向き合うことに決めた。


あんな父親に何を感謝したらいいんだろう。
恐怖の対象でしかなかった父親に、
なんて言葉をかけたらいいんだろう。


続きは、天狼院のホームページへ



これを書き切って、
天狼院の先生や友人に見せた時

「書くのに葛藤もあったでしょう?
 向き合った結果ですね!」

と言われた。

が!!!!
違うのである笑笑

やり切ったから、
もう何も思わなくて、
ただの事実として、そこに転がるだけなのだ。

ここにも書いてある。

「ここまでやってダメなら仕方ない」って思えるまでやり切った。
完全に、受験勉強と一緒である。
受験のときも、これ以上やったら体を壊すって、ところまでやりきった。
これで落ちたんだったら仕方ないよねって思えた。

考えうる手段は全て使った。
そんなに恋愛経験がたくさんあるわけではないけれど、思いつく限りの愛情表現は全てしてきた。
下記ブログより


不器用なのかもしれない。

でも、
そこまでやりきるから、
後悔とか、感じたことがない。

後悔って、
やりきってないときに、思うことだと思うから。

父へ
色紙を渡した段階で、
わたしの葛藤は終わったのである。

マラソンを走り切ったあとように、
清々しい空だけが、わたしを理解してみつめてくるのだ

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