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車椅子で行ったNY旅行で思い出した。これからのゆたかさってなんだろう?

いま猛烈に飛行機で空を飛びたい。コロナ禍で、障がい者の私は妖精になったら死ぬ覚悟さえもしてはいるものの、最近は反動で飛行機にのりたくてたまらない。

しかし、変わりゆく世界の中で、今おいそれと旅に出られるわけではないから、頭の中で2011年にニューヨークに行ったときのことを思い出しました。車椅子に乗って障がい者が自立して生きる道を探ってきた人間の視点で書いてみます。

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上の写真:ニューヨークの道はがたがたでした。このぐらいのでこぼこでも、車椅子にのる私には車酔いの種になります。もちろん押して手伝ってくださる方にも負担です。

ニューヨークという街は、ネオンは美しく輝いているものの、道はがたがた。地下鉄のエレベーターは壊れており、障がい者用トイレは犯罪防止のため、使えないようにチェーンをまかれて、鍵がかかっていました。(全世界で犯罪防止対策といえば同じようなものですね)
障がい者トイレの設計にも、ドアの天井と床を塞がないようなすきまを開けるなどの工夫しないと、危険なんですね。

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上の写真:ニューヨークの地下鉄にある公共の障がい者用トイレ。幾重にも施錠されていて使えない。

障がい者の視点の研究をしている人と会うということで、コロンビア大学に行きました。ジム・バーグ教授に案内された新しい建物に「障がい者用トイレがありますか?」と聞いて行ってみた。そのドアには車椅子マークがあり、一瞬安心しましたが、入ってみたら、ドアが締まりませんでした。私は小さな車椅子なのに。おしりを誰かに見られないかとハラハラしながらトイレを済ませました。

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上の写真:コロンビア大学内の障がい者用トイレ。
手すりも実用的ではありません。

オバマ元大統領が卒業したコロンビア大学内の、できたばかりの建物なのに、きっと障がい者の意見などは聞かないで建てたのでしょうね。エレベーターもなく、階段の横に木の板のスロープがあるだけでした。ちょっと間違えると落ちてケガをしたり、場合によっては命にかかわります。

日本であのような大学を作ったなら、誰かが忠告するでしょう。
コロンビア大学には障がい者は行くのを遠慮するんじゃないかなぁ?

ニューヨークは楽しかったけれど、ホテルや食べ物代にお金が膨大にかかります。下手な化粧を分厚くしている街だなぁと感じたのです。

街で車椅子に乗った障がい者で物乞いをしている人に出会ったり、アパートが地下にあり窓が5センチぐらいしかないところもあり、その隙間から目がぎょろぎょろ見えて驚きました。

メトロポリタン美術館は、もう一度行ってみたいと思ったものの、ニューヨーク自体にはもう行きたくないと思いながら帰路についたのです。

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上の写真:衣料品店アバクロンビー&フィッチにて。モデルのような男性がジーンズだけでポーズを取っていたのでびっくり!

世界一のゆたかな国はどこになるのでしょうか?

ニューヨークでは、普通の路上のタクシーにも、障がい者対応のタクシーにも乗車拒否をされました。そんなときに、露天商の黄色人種のような人たちが来てくださり、タクシーの前に立って停めてくれました。優しい人達もいるんだなぁと感激しました。

捕まえたタクシーは、車いす用にレールやベルトのついた仕様になっていましたが、その機能が壊れていて使えませんでした。だから、乗せたくなかったのかしら?

でもタクシーを体を張って停めてくださった男性たちには、感激しました。肌の色が白かろうと黒かろうと(私たちは黄色?)優しさは関係ないと強く思いました。

さあ、これから世界一のゆたかな国はどこになるんでしょうかね?

いまは建物や景色をよくしても何もならないということがわかりますね。
みんな安心して病院に行け、好きなときに勉強し、食べたいものが食べられる。障がい者も働きたかったら働ける国が強い国になるのでしょう。
戦車があっても、コロナには勝てません。

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上の写真:タイムズスクエアできれいなお姉さんと撮影しました!


世界中の人が「障がい者」の視点をもつ時が来た

いまはとくに政治のことを考えています。私は若い時、政治家になれと口説かれたことがあります。そのとき浅野さんに「あなたはもう政治家をやっているバッジのない政治家だ」と言われ、その言葉に惹かれて出馬はしませんでした。

でもやはり、障がい者の政治家は、日本中にいたほうがよいと思います。私はもう若くないので、出馬はできないかもしれません。それでも札幌から声をあげて、れいわ新選組の船後さんと木村さんに伝えるなどして、国会を動かしたいと考えています。札幌市も変えていきたいです。

障がい者問題は障がい者だけの問題ではなく、すべての人間の問題だと思います。まさに今新型コロナウィルスに日々追われているなかで、生きたいという気持ちは世界の人達にはみなおなじです。
世界の人達がみな障がい者の視点を持つときがきたと感じています。

 出演情報

今週日曜日の6月7日に、みらクルTVの番組「今、障がい福祉を考える」に再出演することが決まりました。司会と番組の構成は元宮城県知事の浅野史郎さんです。(詳細は文末に!)

前回出演させていただいたときは、ZOOMでの出演も初めてだったために、形式もわからず、浅野さんの質問に答えるだけでしたが、今度は今自分が素直に考えていることをお話しできればと考えています。

インターネットで、ZOOM(ズーム)をつかったテレビ番組、「みらクルTV」(http://miracletv.site/)での放送ですので、どこにいても、ご覧頂くことができます。

みらクルTVは午前8時から午後10時まで放送している、オンラインテレビです。体操、ゼミ形式の障害福祉講座、各種囲碁講座、耐震補強や首都直下地震に関する講座、手話やフランス語の講座、オンライン句会、和太鼓やサックス、バンドの演奏、地獄谷温泉後楽館から中継など、多彩な番組があるそうです。

日時:2020年6月7日(日)19:30-20:00

ZOOMチャンネルのURL: 「みらクルTV」 https://zoom.us/j/3782787584 から入ってください。
浅野史郎さんと色々な人が出演する予定です。

もし見逃してしまっても、録画した内容をYouTube(ユーチューブ)で見ることができます。
番組表や講師紹介はウェブサイト「希望の船」(http://kokoroigo.site/)に掲載されています。
接続の問い合わせは、メールで希望の船の木谷さん(koenado@googlegroups.com)までお願いします。


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