蒼さを飲み干して前へ進め
まだまだ青臭い半人前だった
でもまだまだ碧いってことは
これから熟して旨味になる
いつまでも腐ってる場合じゃないよな
蒼さを飲み干して前へ進め!
ポカリスエット
あとがき
近所の自販機にポカリスエットの500ml缶があって、懐かしくてずっと飲んでいた。
ペットボトルより甘さ控えめで優しく染み渡るんですよね。
学生時代を思い出したり、未だにポカリのCMは革新的で爽やかにワクワクさせてくれる。
缶を使って写真が撮りたくて、捨てずにとっておいた。
たまたまタイミングよく撮影の機会があって、爽やかな90年代っぽい写真を撮る事になった。
花が綺麗に咲いているロケーションも近くにあったので、それと合わせてみようと。
直前に近所の高架線を見上げた時に、クロスロード的なストーリーがその時の心情から思い浮かんだ。
見上げる人、見下げる人
交わらないこの先
一瞬のすれ違いの見落とし
その時の感情を残してみようと思った。
【同じモデルで男女に分けて、同じ場所で表情に変化をつけて、ストーリーにしてみる】
美容師としての宣材写真はずっとやってきたけど、
こういうのは初めてだったから楽しかった。
ファッション、ヘアメイク、構図には課題ばかりだが、次にいかす経験になった。
これを撮った時の感情と、編集してる今の感情には違いがあって
撮った時はかなりのセンチメンタルだったけど
今は前向きなエネルギーでいっぱい。
ポカリスエットのような淡くて蒼臭い仕上がりにもってくるまで、時間はかかったがそれも大切な時間になった。
ポカリは【青】が印象的だ、青にも色んな表情がある。
暗いものから爽やかなものまで幅広い。
今までの僕の写真はネガティブな印象が強かったのを
変えたい時期でもあった。
自粛期間に色々考える時間があり、結果的に
変えるというより、進化させるという答えになった。
性格や人間性は変わらないらしい、これを知って絶望したが、
新しいキャラクターはいくらでも作る事が出来る、これを知って希望を持った。
青い、碧い、蒼い、漢字でも「あおい」には様々あるが、
総じて【一人前じゃない】って意味が共通していた。
「まだまだ青いな、、ふっ」なんて少年漫画の常套句だしね。
(陵南戦の三井のポカリシーン大好き)
今の自分にぴったりだったし、青春ってのもそういう事なんだろう。
自分のネガティブな青さ引っくるめて、ポジティブに表現してみようと。
締めの言葉に青、蒼、碧、の漢字3つを使ってみた。
ポカリを飲むたびに、俺はまだまだ青臭いぜ!と
自分の蒼さに向き合って、希望を持って飲み干そうと思う。