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『日本昭和ラブホテル大全』感想

先日、鶯谷のラブホテル街(以下、ラブホ街)を歩いた。やはりラブホ街はいい。独特の建物が軒を連ね、時代に逆行するかのように個性を放つあの空間に、私はつい足を運びたくなってしまう。

 そんなラブホ街が好きな人間なのでつい『日本昭和ラブホテル大全』なんて本に手を出してしまう。

この本はタイトル通り、昭和の香りを今に残すラブホテル(以下、ラブホ)の数々を紹介している。ページを開くと、個性的で思わず目を疑いそうになるホテルの数々が紹介されている。まるでテーマパーク。怪しさの中に遊び心あり。この本を読むとおそらく読書の方々も「自分が知っているラブホテルとは違う!」という感想を抱くはずだ。そして、「ちょっと行ってみたいかも‥」と思う人もいるだろう。それだけ、この本で紹介されているラブホは魅力的だ。

 残念ながら、本書に紹介されているラブホの中にはすでに閉店してしまった店もある。だが、この本を読めばそうした今はなき懐かしのラブホにも再会することができる。

 個人的に行ってみたかったのが、『ホテルアルパ』というラブホ。このホテルにはなんと、トゥナイトなどに出演していた山本晋也カントクをイメージした客室があるのだ。

 どう説明してもそのビジュアルのインパクトと面白さを伝える自信は私にはないので、ぜひ、本書を読んでどんな客室を確認してほしい。1人の人間をイメージしてホテルの客室を作るなんて面白すぎるではないか。そして、その作り込みもすごい。そのガチっぷりに思わず笑ってしまう。唯一無二の客室だ。

 他にも本書にはまだまだ、個性あふれるラブホが数多く紹介されている。読むだけでもきっと楽しい。どのラブホも絵になるし、確実に昭和を感じさせてくれるはずだ。でも、もし本書に紹介されているラブホが近くにあるのならば、ぜひ一度足を運んでみてほしい。著者の村上さんも述べているように、それがなくなりつつある、昭和の香り漂うラブホを残す方法だからだ。

 

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