【ペア読書】世界は贈与でできているーー資本主義の「すきま」を埋める倫理学

読書した本

買ったきっかけ、目的

・市場規範と社会規範の話に似ていると思ったため気になった。
・自分が発信をして行く中で贈与と交換のバランスを考えたかった。

読んだ感想や内容のまとめ

読んだ部分
・第1章 What Money Can't Buy - 「お金で買えないもの」の正体
・第5章 僕らは言語ゲームを生きている

感想や内容

・本書での贈与の定義「必要としているにもかかわらずお金で買うことのできないもの及びその移動」

・人は受けた贈与に対して、「負債」を感じるという前提。そのために、親は自分が受けた親からの贈与を子への贈与を実施することによって負債を返す。贈与は贈与から生まれる。

・本書では、贈与行為に似た贈与行為の種類として、「偽善・犠牲行為・交換」をあげている。本書の定義でいくと、最初に贈与行為を行ったものは、自己犠牲を行った人ということになる。

それを、「神」においたのか、宗教の創始者に置いたのかは分からないけど、一番最初の犠牲のおかげで贈与の連鎖が続いているということになる。途中から市場経済が混ざることで、贈与が交換にすり替わっている部分があるのではないか?

贈与の一部が交換になることで、人との関係が少し希薄になったんではないかと思う。市場規範での関係は、短期的なことになんとなく気付き始めた人々は最近、よりウェットな関係を作ろうと贈与の重要性が見直されてきているのかも。

・ある言葉を自分の知る範囲の言葉で表現する「言語ゲーム」の話もおもしろかった。人はお互いそれぞれの言語ゲームの中で生きているので、相手の言語ゲームを簡単には理解できない。長くコミュニケーションをとって、相手の言語ゲームの全体像を理解することで、2人の言語ゲームを作っていく

相手の意味する言葉が同じ言葉でも違うことはたくさんあって、丁寧に話して相手の文脈や意図を理解するってこういうことだなーと思った。みんながそれぞれの言語ゲームを持っているという認知は長期的なコミュニケーションを作る上で重要だと思う。

相手の言語ゲームは日々広がり意味が変わっていく可能性があるので、一度相手の言語ゲームを理解できたからといって、サボってはいけないなーと思う。


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