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#DCMベンチャーズ

スタートアップのマーケット論その1:「大きなマーケット」とは何か

スタートアップのマーケット論その1:「大きなマーケット」とは何か

テックスタートアップのベンチャーキャピタルへのピッチ資料には、チーム、プロダクト、ビジネスモデルなど様々なことが詰め込まれていると思いますが、その中の一つで意味があるのかないのかよくわからないと思われがちなのが「マーケットサイズ」です。

起業家の皆さんはVCに「ちょっとマーケットが小さいなあ」などと言われ、「そしたらちょっと市場規模増やしとくか」と無理やり計算したり関連市場を増やしたり、「これ意

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スタートアップのマーケット論その2: "Why now"指数関数的な変化、技術の変曲点

スタートアップのマーケット論その2: "Why now"指数関数的な変化、技術の変曲点

前の記事に書いたGmail開発者のPaul Buchheitの言葉を再掲します。

(巨大なテック企業になるためには何が必要かと聞かれて)
Google, Netflix, Amazonのようになるために必要なことは、指数関数的な変化の上で事業を行っている事。インテルや初期のマイクロソフトやアップルは"マイクロコンピューターの勃興"という変化の上で事業を行っていた。マイクロコンピューターがなければ

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スタートアップ冬の時代におけるコスト優位戦略 ("スタートアップだから大手より安い"という神話の終焉)

スタートアップ冬の時代におけるコスト優位戦略 ("スタートアップだから大手より安い"という神話の終焉)

DCMベンチャーズの原です。この記事は別記事の一つのカテゴリとして書いていましたが、昨今の経済環境の変化から、これまで多くのスタートアップが行ってきたアグレッシブな経営手法に変化が求められているので、しっかり書くことにしました。具体的には"とりあえず競合より安く製品やサービスを提供"、"利益率は度外視で成長"という姿勢から、本質的なコスト優位性が求められてくると思っています。

スタートアップのプ

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Moat(モート): スタートアップの競争戦略概論

Moat(モート): スタートアップの競争戦略概論

moat /moʊt/ [名]
(都市・城壁の周囲に掘られた)堀

Moat(モート)とはウォーレンバフェットと盟友のチャーリーマンガーが様々なインタビューで繰り返し繰り返し述べている事業において最も大切な概念です。
僕が投資家として、最も時間と思考を費やしている対象もMoat(モート)です。
バフェット/マンガーにはMoatについてのいくつもの引用がありますが下記の質疑応答の一部がわかりやすい

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