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描写不足か自分の想像力不足か

どうもおさかなさまです。

「竜とそばかすの姫」を観てきたのですが、本当に素晴らしい映画でした!

詳しくは作品に関するネタバレになりますので今回はあまり中身について話しませんが映画を観ながらボロボロ泣いた程感動しました。
まあもともと自分は涙腺が弱い方なので、自分が泣いたかどうかは作品の評価と直結しないという友人の意見はありますが…。(笑)

そんな(自分としては)感動した「竜とそばかすの姫」ですが、他の人はどういう感想を抱いたのかなと思ってレビューを見た所、5点満点中4点や3.5点という評価を示しているサイトがちらほら。

あれ?意外と低い?

と思いました。
正直自分は凄く面白いと感じましたし、5点満点中4.5は最低でもあって良かったんじゃないかなと思っていた程だったので少々驚きました。

これらの人達は一体どんな部分を見て悪い評価を付けたのだろう?
と思い様々な人のレビューを見てみることに。

しかし、どのレビューを見ても自分的には「その程度の事で評価を落としてるんだ」程度にしか思えず。
まあでも映画も芸術作品の一つですので受け手の評価は様々あって良いと思ってます。

しかしその中にどうも気になるレビューがありまして。というか最近のフィクション作品に対する感想でよく言われている事が以前から気になっていまして、今日はその事について記事を書こうと思った次第です。

そのレビューというのが詳細はネタバレになりますので言いませんが要約すると、

「なぜ◯◯が◯◯になったのかがわからない。説明不足では?」
「◯◯の状況なら◯◯するのが正解じゃない?」

用はこういった感じの内容。

こういうレビューは別に今回の映画だけに限らず物語を扱う作品ならよく聞く話ですよね。
ドラマ、アニメ、本、ゲーム、などなど。

しかし、こうしたレビューを見るたびに果たしてその評価は適切なのかな?
と思ってしまいます。

もちろん明らかに物語の根幹に関わる部分での描写不足や説明不足は評価の対象に値すると思います。
桃太郎の物語がいきなり桃太郎が鬼ヶ島へ向かう場面からスタートしたら、流石に「桃太郎の桃ってなんなの?」とはなります。

しかし、そうでは無い。ある程度無くても問題がない部分での描写不足に対する批判は、

それは貴方の想像力不足なのでは?

と思ってしまうのです。

最近の作品に対する評価として「全てに対して説明がある事は前提かつ辻褄が合ってないと評価されない、もしくはされにくい」という風潮がある気がします。
正直それらに対してフィクションを勿体ない見方をしてるなと感じてしまうんです。

考えてもみてください。
大体の作品において「尺」というものがあると思います。
その尺の中に作者が伝えたいメッセージを詰め込むのに際して泣く泣く描写出来ない部分だって出てくるはずです。

それに辻褄についても、フィクションの物語を作る上で一体何人の人が携わってるかわかりませんが、多くは10人に満たないものがほとんどでは無いでしょうか?
そんな少人数で作り上げた世界が完全に矛盾の無い世界なはずがありませんし、揚げ足を取ろうとする見方をすればいくらでも揚げ足を取れるのは当たり前です。

それらが要因で自分の中での作品の評価を落とすのはそれはどうなんだろう?と思うわけなんですよ。
(もちろん先程の桃太郎レベルの説明不足は話が変わりますが笑)

確かに昔と比べフィクションに対する受け手の目が肥えて来ているというのはわかります。
でも、もう少しストレートに楽しめないかなと思うんです。上手く言葉では表せないですが、「感情的に」とでも言うのでしょうか。
特にその物語を始めて楽しむ時は。

自分も見ていて「あれ?ここなんでこうなったの?」と思う事は多々あります。自慢じゃ無いですが結構な数の本を読んで来てますのでフィクションに対する齟齬は気付きやすい方だと思っています。
でも「それはそれ」として軽く流しますし自分なりに都合の良いようその瞬間解釈をしたり、見えてない部分は想像で補います。

それは先にも言った通り作者が伝えたい部分はそこに無いと思っている事と、完全に辻褄の合うフィクションを作ることも、世界の全てを尺内に描写する事も不可能だからという前提で物語に浸っているからです。

別に批判だけの意味で言うわけでは無いですが、最近は全てにおいて説明が無いと納得出来ない人が増えてる気がするんですよね。
もちろん受け手に対し納得させきれなかった作者の力量という見方も出来ますから一概には言えませんが。

ただ、世の中には自分の心を動かす物語は実は沢山ありますし、それらに対して多く心を動かせるかは自分の受け取り方次第です。

「面白くない」という感想を否定しているわけでは絶対にありません。
ちなみに、ここまで言っておいて何ですがこんな自分でも面白くないなと思った作品は星の数ほどあります(笑)
しかし、少し想像するだけで面白くないが面白いに変わるのならそれに越した事は無いのではないでしょうか?

•全て対して説明がある
•辻褄が合っている

この二つが物語を楽しむうえで前提になっている人が増えてきているのかなと思ったので、今回はこうした記事を書きました。

知らず知らずのうちに批評家的見方をしていませんか?
世の中には心を動かすものが実は沢山ありますよ。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

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