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「AIvs教科書が読めないこどもたち」ざっくり解説

大規模な調査結果わかった驚愕の実態
日本の中高生の多くは、中学校の教科書の文章を正確に理解できない。
多くの仕事がAIに代替される将来、読解力の無い人間は失業するしかない…。
気鋭の数学者が導き出した最悪のシナリオと教育への提言。
                                      ーー本書より引用

いきなり壮大な脅し文句が本の表紙に印刷してある本書は、私が最近読んだ本の中でも非常に印象に残った作品です。

本の構成は大きく前半と後半に分かれており、前半は現在のAIに対する技術的な限界点と世間が大きく誤解をしているAIに対する認識の間違いを解く内容で、後半がまさにこの本書のメインである「教科書が読めないこどもたち」について語られています。
まあ、本書を読めばわかりますが、教科書が読めない「子供」だけの問題ではありませんので、興味を持った大人の方はぜひ読んでみて下さい!


1.AIに出来ないこと

まず前半の内容についてざっくり解説すると、まずAIによって皆が思っているようないわゆるシンギュラリティ…つまり「ターミネーター」の世界のようなことは起こらないよ。という内容になっています。
(ターミネーターの内容がわからない方申し訳ありません…)

AIはあくまで「機械」であって「機械」というのはどこまで行っても計算をする道具でしかない。
では計算とは?それは「論理・確率・統計」のこと。つまり、全てを「論理・確率・統計」で表すことが出来ない感情等を有した人間の脳を「模す」ことは現在の技術では不可能ということです。

しかし一方で「論理・確率・統計」で表すことが出来る分野に対してはめっぽう強いのがAI。
本書の著者は「AIは東大合格は可能か?」という研究を実施したそうですが、数学や「論理・確率・統計」の応用で答えることが出来る分野については非常に優秀な成績を残したそうです。

その反面、国語や英語といった読解力が必要な分野については限界が見えたとされています。
例えば、「太郎は花子が好き」と「花子は太郎が好き」の違いがわからないなど、文の意味を理解することについては苦手という結論が出ました。

つまりAIは「論理・確率・統計」にどうやっても落とし込むことが出来ない、より人間的な分野、ここで言う所の文章の意味を理解して回答するということを非常に苦手とすることが明らかになりました。


2.読解力、ありますか?

さて、ここからが後半の内容ですが、

AIが苦手とする文章の意味を理解して回答するという能力、いわゆる「読解力」ですが、皆さん

読解力はありますか?

皆さんご存じの通りAIが社会に参入してくることで、仕事が相対的に減ると言われています。
それはつまり、上で書いたような「論理・確率・統計」で応用可能な業務はどんどんAIに代替されるということ。

そんな世の中になった時に「やったー業務が減るぜーハッピーハッピー!」と思う方もいるでしょうし、そんな未来を楽しみにしている方だっているでしょう。

しかし、

本当にそうなりますか?

失うのは業務ですか?それとも仕事そのものですか?

自分は職を失わずAIに出来ない仕事が出来ると自信を持って言えますか?

「残る仕事」の共通点を探してみると、コミュニケーション能力や理解力を求められる仕事や、介護や畦の草抜きのような柔軟な判断力が求められる肉体労働が多そうです。
…つまり、高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野です。
                         ーーー本書より抜粋

本書にはこう記されています。

つまりこの本は「高度な読解力と常識や人間らしい判断が出来ない人はAIに仕事を奪われますよ?」という

これからを生きる人類に対する「警告」が最大のテーマなんです。

ターミネーターのような世界は訪れないよ、だから安心してね!
じゃないんです(笑)

AIが仕事にどんどん参入して来るということは、その分仕事に対する人間の領分が脅かされるということ。
人生100年時代と言われ人間の寿命が伸びたのは良いことですが、そもそも貴方はAIに仕事が取られずにこの先、生き抜く事が出来ますか?
と残酷な現実を本書は突きつけてきます。

今後必要とされる読解力という能力について様々な切り口から本書は記されています。

・人間は「AIにできない仕事」が出来るか?
・数学ができないのか、問題文を理解していないのか?
・3人に1人が、簡単な文字が読めない
・偏差値と読解力
・AIに分断されるホワイトカラー
・企業が消えていく
・そして、AI世界恐慌がやってくる

これらの詳細についてはぜひ本書を手に取って読んでみて下さい。

AIが日常になる未来。

私たちは今から何をしなくてはいけないのでしょうか?

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