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【女子高生エッセイ】『苦しくても学生だから🕯️』#私の勉強法

最近、学習という言葉が耳に痛く入ってくるようになった。

私は腐っても学生。

そして受験生。

高校二年生まで学業で困ったことはなかった。

勉強大好きだったし。


でも私の勘は言っている。

『私はこれから学業に躓く』と。


私が目指している大学ははっきり言って賢くない。

入試に向けての対策も筆記テストよりも実技の小説執筆の方に力を入れるつもりだ。

ただ学費が高額であるから、奨学金をもらうために勉強をする。

具体的に言うと共通テストで英国ともに9割以上の得点を取る。

一般的に言うと高い目標なのかもしれない。

でも過去の私なら『満点取る気ないなんてださい』と言うんだろうな。

今の私にとっては余裕とは言いきれない。

しっかり勉強の時間を確保したら別だけど。

昨年、高校二年生の時点で受けた共通テストは国語が八割五分、英語が九割。

過去の自分よりも賢くならないといけない。

同級生に負けることより過去の自分に負けることの方が屈辱的。

だから今、学習することに怖いという気持ちがついてきてしまっている。


学習は苦じゃない。

でも決して楽ではない。

今までも何度も間違えたし何度も立ち止まった。

「なんでこんなこともわからないの?」

そんな心無い言葉を吐き捨てられたこともある。

「答えのある問題にさえ答えれない子はねぇ」

大嫌いな塾の教師にそうやって鼻で笑われた。

100点を取れなかったテストは点数を隠した。

例え99点でも。

”こんな簡単なテスト”で満点をとれないことがあまりにも恥ずかしかった。

あくまで自分の尺度。

模試で国語が全国一位になった時だって数学の落とした20点で泣いた。

その模試の結果は破ってゴミ箱に入れた。

今、冷静に評価すると狂っていると思う。

そうやって心が疲れていったのだと思う。

勉強以外できないからこれだけは完璧にしないといけないって。

学ぶことの楽しさや本質を忘れていた。

学習の仕方が特殊だったこともあると思う。

教科書の隅から隅まで覚えるのはもちろんだが、図や写真の記憶が上手にできない私は全て文字にして覚えていた。

全て文字化された頭だったからこそ言葉をインプットしてアウトプットするだけの簡単な作業さえできない自分に嫌気がさした。

強い自己嫌悪を感じて自分をたくさん責めた。



結果的には心よりも体が先にだめになってしまった。

体に力が入らなくなって立てなくなった。

なんとか親に頼み込んで車で片道1時間かかる学校に送ってもらった。

どんな状況でも学習に後れを取ることは頭が許されなかった。

結局それは叶わなかったけど。

指が震えて文字を書けなくなって教科書の文字も読めなくなった。

私の価値がすべて取り上げられて空っぽな身体だけが残った気がした。

何度もそれから学習に取り組もうとしたが全身が拒絶した。

文字を見ては嘔吐の繰り返し。

もともと文字に強く反応する体質だったこともあってすごく苦しかった。


通院や入院を通して文字を読めるようになっても学習が遅れているという事実が心をきつく縛っていた。

もう勉強したくないって涙を流しながら参考書を読んだ。

参考書は涙と鼻水でびちゃびちゃで文字も図も滲んで見えなくなってしまった。

それを毎日繰り返した。



ある日、今までの張りつめていた気持ちがパンッと割れて何もできなくなった。

学習なんてしなくても心臓は動いてる。

やるかやらないかの極端な二択だった。

学校に久しぶりに登校したら早くもみんな受験モード。

昔の自分がたくさんいるようにしか見えなかった。

この人たちは何をしているんだろう。

何を求めているんだろう。

その先に何が残るんだろう。

そんなひねくれたことを思った。

私はこのまま一生学習なんてする気が起きないのだろうなと思った。

ただこれは不正解だった。


なぜなら今、学ぶことの楽しさをもう一度知りたいと思っている。

食事をとらずに16時間学習し続けた高1のテスト前日。

傍から見たらある種の病だった。

ふらふらして気絶するまでペンを手放さない。

身体はボロボロだった。

それでも心はすごく充実していた。

新しいことを学びたくて覚えたくてひたすら参考書のページをめくった。

文字をたくさん見て辛くなってもやめなかった。

止まることを知らなかった。

やりすぎだと言われても私には足りていなかった。

あとちょっと、もうすぐ。

ずっと貪欲だった。

純粋にあの時の自分が羨ましい。


一度、勉強からは逃げてしまったけど。

もう逃げたくない。

埃をかぶっていた参考書も引っ張り出したしリュックの奥にしまっていた単語帳も取り出した。

涙で滲んでいるページを開く。

もう泣かなくていいんだよ、できないのが当たり前なんだよ。

開いたページには新しい涙の跡が増えていくだけだった。

ゆっくりでいいってわかっているはずなのに。


夏に似合わない長袖の袖で目をゴシゴシと擦る。

顔を両手でぱちんと叩いて気合を入れる。

どれだけ躓いてもいい。

まっすぐに向き合っていくんだ。







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