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カリフォルニア・ロケット療法とは?

どうもおさかなです。

今回はうつ病の治療法
カリフォルニア・ロケット療法」について
ご紹介します。

画像のようなロケットに
乗せてもらう訳ではないですよ。

あと今回は長い(3000字越え)、
専門用語がちょこちょこ出ます…。

なるべく噛み砕いたつもりですが、
読みにくかったら
実際にカリフォルニア・ロケット療法やってみた
まで飛ぶといいかもしれません。

カリフォルニア・ロケット療法とは

カリフォルニア・ロケットとは、
ミルタザピン(製品名: レメロン・リフレックス)と
SNRI、もしくはSSRIを併用するうつ病の治療法です。

SNRIは
・トレドミン
・サインバルタ
・イフェクサーSR

SSRIは
・デプロメール
・ルボックス
・パキシル
・ジェイゾロフト
・レクサプロ

になります。

おそらくうつ病と診断されている方は
上記の薬を飲んだことがあることは
一度でもあるのではないのでしょうか。

SNRIとSSRIの違いは?

そもそもSNRIとSSRIの違いですが
SSRIは主にセロトニンだけを増強する薬剤です。
一方SNRIはセロトニンだけでなく、
ノルアドレナリンも増強します。

うつ病になるとセロトニンが不足し、
気分の落ち込みや不安がちになるので、
SSRIを使いセロトニンの増強を行います。

ただ、SSRIはセロトニンのみ増強するので
意欲の増強などはできません。
その場合、SNRIが用いられます。

ノルアドレナリンは
緊張や不安、集中、積極性をもたらします。
うつ病でよく見られる「意欲の減退」には
このノルアドレナリンの増強を行い対処をします。

セロトニンはノルアドレナリンとドーパミンの
調整も行なっているので、
SNRIはセロトニンとノルアドレナリンの
2つに作用するように作られています。

ミルタザピンとSNRIとSSRIの相性がいいのは何故?

ミルタザピンはカテゴリとしてNaSSAと呼ばれ、
作用としてはセロトニン、ノルアドレナリンの分泌量
そのものを増やす作用
があります。

一方SNRI
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬と呼ばれ、
シナプスという脳の神経回路のつながりで、
セロトニンとノルアドレナリンの
再吸収されないようにすることで、
セロトニンとノルアドレナリンの
濃度をあげる作用
になります。

SSRI
選択的セロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれ、
同じようにセロトニンの濃度をあげる作用になります。

このようにミルタザピンと
SNRI・SSRIは若干薬の作用が違います。

それにより、
セロトニン・ノルアドレナリンが
減りにくい環境の中
さらに直接的に神経伝達物質を増やし、
より強力な抗うつ効果を発揮することができる
といった訳です。

実際にカリフォルニア・ロケット療法やってみた

こまけーことはいいから効き目はどうなんだって?
安心してください、実際にやってみてます

私はBMI 16(低体重)のため、
現在飲んでいるイフェクサーSRはこれ以上
(150mgから225mgまで)の増量は無理だと
言われてしまいました。

ただ夕方から夜まで鬱状態が続き、
辛いことを伝えると
カリフォルニア・ロケット療法の提案が。

実際には
「ミルタザピンとかリフレックスって知ってる?」
という感じの提案のされ方でしたが。

ということで、
イフェクサーSR 150mg + ミルタザピン 15mgで
カリフォルニア・ロケット開始。

イフェクサーSR 150mg + ミルタザピン 15mgの場合

初日はそれはもう眠かった
あまり昼寝をしない方なのですが、
珍しく昼寝をしたぐらい眠かったです。

ちなみにミルタザピンの服用タイミングは就寝前、
イフェクサーSRは翌日の朝食後です。

ミルタザピンは四環系抗うつ薬 テトラミドを
改良したもので、テトラミドはもともと
抗うつ薬でもありますが眠気の副作用が強く、
睡眠薬としても処方されることもある薬です。

ミルタザピンもその例にもれず、
初期の眠気の副作用は強めと
思っていただいてもいいと思います。
ただ、この副作用も2〜3日で慣れてきます。
慣れてきた頃には
ミルタザピン単品では睡眠導入剤には
ならないかなーといった感じでした。

また、メンタル面ではまだうつ病特有の
不安感やそわそわする感じがあり、
15mgでは少し物足りないといった感じでした。

特に初日〜3日目まではメンタルの不安定さがあり、
発狂しそうなほどの希死念慮や、
落ち着いていた希死念慮などが
夕方や夜に出るようになっていました。

この辺は最近の気圧も関係していると思いますので
カリフォルニア・ロケット療法だからこうなったと
断言はできません。

イフェクサーSR 150mg + ミルタザピン 30mgの場合

主治医に15mgでは
やはり足りないと思った旨を伝え、
ミルタザピンを30mgに増量。

やはり初日に眠気はありますが、
15mgからはじめているせいか
我慢できるほうでした。
気圧もかなり最悪の日でしたが
日中はまだなんとか耐えられました。
流石に夜は耐えきれず
鬱状態になってしまいましたが。

ただ、15mgの時よりも
格段に効果は実感できています。

前向きというか
うつ病になる前ってこんな感じだったかも
という印象です。
なんだか動きやすかったです。

ちょっと30mgはまだ途中なので
何かあればこの記事に追記していこうと思います
日中〜夕方に関しては動きやすくなりました。

できれば気圧の安定した時に試したかった…。
(今週は気圧が最悪の週です)
うつ病で自律神経がかなりやられてしまったので
気圧が低い夜、ストレスが溜まった瞬間に
鬱や摂食障害の症状が出てしまいます。

日中〜夕方まで気圧が最悪でも
まともに動けるようになっただけ
まだマシかなぁと思います。

ミルタザピン(製品名: レメロン・リフレックス)の副作用、食欲増加について

前に「4コマ de うつ病 その7」で
太りやすい薬として、
リフレックス(ミルタザピン)を紹介しました。

実際にアメリカで2015年に行われた
257件のRCT、84,696名
54種類の薬物分析結果によると

リフレックス(NaSSA)は +1.5kgの
増加が認められています。

じゃあ今回私は食欲は増えたのか、
体重は増えたのか、答えはNOです

「えー、じゃあリフレックスって太らないの?」
「リフレックスでめちゃくちゃ太ったんだけど!」

という方、ちょっと待ってください。
私は摂食障害持ちです。

これ以外に飲んでいる薬がありまして、
過食嘔吐の食欲自体を減退させるために
飲んでいる薬があります。

エクセグラン(ゾニサミド)という薬です。
ちなみにこれも実験データに入っておりまして、
-7.7kgの体重減退効果が認められています。

つまり前から飲んでいる薬で
リフレックス(ミルタザピン)の副作用は
打ち消されているという感じですね。
むしろメンタルのブレで痩せてしまいました。
辛い…

この記事を読んで
「エクセグラン処方してもらおう」
という方がたまにいるんですが、
ほとんどのお医者さんが出されないと思います。

副作用での過食と摂食障害による過食は違います
私の場合は過食に伴い嘔吐という代償行為まで
行なってしまうので薬で食べること自体を制限しています。

また、エクセグランが処方される条件は
婦人科で処方される低容量ピルも飲んでいる、
ということも一つです。
ピルを飲んでいなかったら、おそらくトピナという
別の食欲減退の副作用のある薬が処方されると思います。

トピナは摂食障害の過食止めでは有名な薬ですが、
ピルの効果を阻害してしまう効果もあります。
その場合の別の提案としてエクセグランが存在します。

薬の副作用で体重増加となってしまうのは
とても辛いことですが、あなたがちゃんと病気と
闘っている証拠でもあります。

4コマの解説文でも伝えてますが、
心をまず健康にして、
そこから元の体重に戻していきましょう。

話は若干逸れましたが以上で
カリフォルニア・ロケット療法について
紹介を終えたいと思います。

ここまで見てくださってありがとうございます。

参考
【精神科医が解説】リフレックス(ミルタザピン)の効果と副作用|こころみ医学
セロトニンって、なぁに?|大原薬品工業株式会社
抗うつ薬|Wikipedia

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