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【本】「スマホ脳」

「スマホ脳」の感想です。2021年ごろに話題になった本ですね。

  • Youtubeに表示される関連動画をタップして、気が付いたら2時間たっていた

  • 作業中に鳴ったLINEの通知音が気になって集中できなくなった

そんな経験がある人は多いのではないでしょうか?
かく言う私もその一人です。
この本はそんな現代のスマホ中毒に対して警鐘を鳴らす内容となっており、スマホがどのような仕組みで我々を惹きつけ、どのような影響を持つのかが解説されています。
生活必需品となったスマホとどのように向き合うのか、今一度考えてみるきっかけを与えてくれる本でした。

要点

  • 人間は感情で動く

    • 生き残るために必要な行動を取るように感情が変化するが、基準は狩猟採集時代からさほど変化していない

    • カロリーや情報を与えてくれるものに夢中になり、ストレスを感じると引きこもって身を守りたくなる

  • スマホは人間の報酬系を利用した仕組みを持つ

    • 次々に新しい情報を与えてくれるスマホに夢中になり、ないと不安を覚えるようになる

  • スマホによって失うもの

    • スマホが机の上にあるだけで、触っていなくても作業効率が落ちる

      • 見ないようにするのにリソースを割いてしまう

    • 考える機会の減少による影響

  • スマホのメンタルへの悪影響

    • ブルーライトによる睡眠への悪影響

    • SNSで常に他人と自分を比較することによるストレス

感想

良かった点

  • 因果関係についてしっかり言及していることが多い

    • 「AによってBになった」という因果関係について、因果関係が逆ではないか、因果と相関の誤りがないかの検証が記載されているものが多い

    • この辺が適当なビジネス書は割と多いので、非常に好印象

  • 自身がスマホを触ってしまうメカニズムについて納得感のある説明

    • 自身がどのようなアルゴリズムに従って行動しているのかについて解像度が上がった

気になった点

  • 出典がないため、真偽が何とも言えない記述

    • 強めの批判的な主張

      • 「フェイスブックやインスタグラムは、親指マークやハートマークがつくのを保留することがある。そうやって、私たちの報酬系が最高潮に煽られる瞬間を待つのだ」

      • 「フェイスブックのアルゴリズムはニュースの選定がいい加減」

    • 上記のような主張についてソースや出典が記載されていないため、今一つ信頼感にかける

まとめ

話題になっていただけあり、読んでみてよかったと感じました。
主題であるスマホの脳への影響についての知見が得られたのもそうですが、因果関係についての検証が記載されていたり、しっかりと事実ベースで話が進められていたりと(一部出典が欲しいと思った部分はあったものの)主張が論理的であると感じる部分が多かったです

スマホの影響を通して意思決定の仕組みの一端も知ることができ、自分を客観視することにも役立つ内容でした。
なぜ自分は今スマホを見ていたのか、スマホで時間を無駄にしてしまったと感じたときはこの本の内容をもとに内省してみようと思います。

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