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ツケ払い #日記2

今日は歯医者さんに行く日なのに財布を忘れて出勤。こういう間抜けなことをやりがちな人生。

通っている歯医者さんは職場から最寄り駅の向こう側まで歩いたところにある。近いと言うには若干戸惑う絶妙な距離だけど、それにも慣れた。コロナの影響で人通りがやや少ないのも手伝っている気がする。街があんまりごみごみしすぎてないの、いいなあ。もう結構元通りになってきてるけど。

財布を忘れたことに気づいたのは会社に着いて自席に座った瞬間だった。さて、自販機でお茶買うか。……あー。といった具合である。結構序盤でウケる。午前中はカサカサした喉に集中を削がれながら働いた。

普段使っているLINE Payのおかげで、昼食には無事にありつけた。喉も潤されて安心。ありがとうスマホ、ありがとうキャッシュレスを導入した過去の私。ますますお前(スマホ)のことを手放せなくなってしまったよ。スマホはもはや俺の臓器です。でも歯医者さんどうしようかな。社内の親しい人にお金貸してもらうか逡巡するも、やはり申し訳なくて躊躇う。

とりあえず確認だけしよ、保険証は月初に提出したけど診察券ないから受診自体無理かもだよね…と歯医者さんに電話をかけるとあっさり「次回お支払いただければ」と一文無し来院を受け入れてくれた。逆に不安。

ホントに?と疑いながらも結果歯ブラシだけ握りしめて歯医者へ向かう。私の下手すぎる歯みがきを見かねて、衛生士さんによる指導が設定されていたのだ。この歳になって生活習慣の身についてない小学生みたいなことをしている。

主治医のT先生、診察にやってきてひと言、「財布ぜんぶ忘れちゃったんですか~?あ、でもつむぎさんならいいかな!って思って。ふふ」。いや、ふふ、ってなんやねん(かわいい!)、あ~今日もショートヘアがお似合いです(かわいい!!) (私より年上です)。

先生がチャーミングで素敵だという話はさておき、○○さんならいいかな、という言葉の魔力、すごい。この人に信用されているという実感で心がフワ~とほどけていくのがリアルタイムでわかった。「この私」との一対一の関係を見つめた上で発言しているという誠実さもグッとくる一因だと思うな。相手からの信頼を感じとると、自分も自然と心を許してしまうものなんですね。たとえT先生の言葉が一種の方便だったとしても、患者(私)はすっかり先生を信頼して安心感を得てしまったので大成功だと思う。

歯医者って長期間通い続けなきゃいけなくてダルいわ、と内心思わないではなかったけど、真面目に通っててよかった。とりあえずお金は週明けすぐに支払いにいきます。

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