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ばぁばとナイショの玉子焼き

皆さまの思い出の味ってなんですか?

懐かしい香りや食べ物を食べて
思い出がふと蘇ることがあるけれど
私は玉子焼きがその代表例。

母の味、姉の味、
友達の家の味(なんで知ってんだ)
そしておばあちゃんの味。

祖母とは昨年お別れになっちゃって
もう最後の方は色んなことを忘れてしまっていたけれど、わたし色んな思い出を全然忘れてないのです。
不思議なパワーの溢れたばあばでした。


祖母は萩の人で、あの時代の人の中では背が高くべっぴんさんで…美味しそうにぐいーっ!とビールを飲むうわばみ(笑)


夏祭りに浴衣を着て行けば近所のおじいちゃんたちがワラワラ寄ってきて「みーさん!みーさん!」と周囲を囲んで話しかけてくる。
幼いながら「みーさん、すげぇ」と思ったものです。

私の作る玉子焼き、ばぁば寄り

そんなみーさん、かなりのやり手です。

姉たちが夏休みの宿題に追われているとき、
まだ小さかった私は大変お暇。
そんな時はこそこそと抜け出して台所に遊びにいきます。

風に乗ってふわんと美味しい香りが漂ってくるもんだから、そろそろあの時間だ!とわかるのです。……そう!お味見タイム!

「ナイショよ、ナイショよ。」

ばぁばったら、おちびの口には溢れちゃうほど大きなアツアツお裾分けをくれます。

お姉ちゃんたちに悪いなぁ…はふはふ。
でも【ナイショ】で貰うと本当に美味しい!
私だけが知ってるアツアツの味。最高。



ところがどっこい!
大きくなって姉たちと話して大笑い!
三姉妹とも【ナイショ】の味を知ってたんです。

みーんなに「ナイショよ、ナイショよ」
を平等にくれていた優しいばぁば。

いいなぁ、素敵だなぁ
そんなお茶目なおばあちゃんになれるかな
なりたいなぁ。


今年の夏お久しぶりに萩に帰ります。

BBQの用意これからは私がかなり働かんと手が足りんやろうな笑
トロいから母の助手に徹しよう。


いくつかのお別れがあったから
昔とガラッとメンバーが変わって寂しさもあるけれど…義兄と4歳と0歳が仲間入り!

甥っ子に今度はわたしの母が「ナイショよ、ナイショよ」をするのかな〜

そんなん見ちゃったら
あーやはり生命は巡るもんなんだと、
ちょっと涙が出そうだ。


会えるうちに、会いたいだけ
尽くしたいだけ、やれるだけ
めいっぱい。

お別れの数だけ私たち、きっと教えてもらってるんやと思うのですよ。

忘れちゃだめですねぇ。

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