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ケニアのキマニ国連大使のスピーチ考えさせられました

 ロシアのウクライナ侵攻がニュースで流れています。停戦交渉も行われているようですが、早く戦争が終わることを祈るばかりです。

 その中で、2月21日に行われた国連の緊急会合。ケニアのキマニ国連大使のスピーチが話題になっています。

 今日は、そのスピーチの内容が、普段のぼくたちの仕事や生活に強く響くものでしたので、ぼくの感想も含めてお伝えしていきます。

 今日の動画を見る前に、まず、ケニアのキマニ国連大使のスピーチを見てから、この動画を進めていただければと思います。リンクを概要欄に貼っておきます。

 僕は、人とテクノロジーをタップダンスでデザインする地方公務員として普段は、タップダンスのお話や、コミュニケーション、キャリアコンサルタントなど、ぼくの身の回りに起こるいろんなお話を発信しています。
 今回ご紹介する動画以外にも有益な情報がいっぱいあるので、ぜひチャンネル登録をしておいてください。



他国から社会の秩序がつくられた

 この状況は、私たちの歴史と重なります。 ケニア、そして殆どのアフリカの国々は、帝国の終焉によって誕生しました。 私たちの国境は、私たち自身で引いたものではありません。ロンドン、パリ、リズボンといった遠い植民地の本国で引かれたものです。 いにしえの国々の事など何も考慮せず、彼らは引き裂いたのです。

ANNニュースチャンネルより

 アフリカでは、19世紀以降、植民地として、ヨーロッパの列強の国々に支配されていた時代がありました。
 たしかにアフリカ諸国の国境線を見るとまっすぐです。これは緯線や経線を国境にしてきたといわれています。
 アメリカも然りですが、ヨーロッパの列強の国々に支配されていた時代があって、それらにより国に礎がつくられてきました。
 日本は島国なので、隣国とは地続きでつながっていません。こうした国境とかいう感覚は僕はとっては少し鈍いかもしれません。

平和を望む

 現在、アフリカの全ての国の国境線をまたいで、 歴史的、文化的、言語的に深い絆を共有する同胞たちがいます。 独立する際に、もし私たちが民族、人種、宗教の同質性に基づいて、 建国することを選択していたのであれば、 この先何十年後も血生臭い戦争を繰り広げていたことでしょう。
 しかし、私たちはその道を選びませんでした。 私たちは既に受け継いでしまった国境を受け入れたのです。 それでもなお、アフリカ大陸での政治的、経済的、法的な統合を目指すことにしたのです。 危険なノスタルジアで歴史に囚われてしったような国を作るのではなく、 未だ多くの国家や民族、誰もが知らないより偉大な未来に期待することにしたのです。 私たちは、アフリカ統一機構と国連憲章のルールに従うことを選びました。それは、国境に満足しているからでなく、平和のうちに築かれる偉大な何かを求めたからです。

ANNニュースチャンネルより

 今、アフリカでも植民地の時代を経て、それぞれが独立して国家ができています。平和で秩序が保たれている社会は、もとはヨーロッパの仕組みからつくられてきたということでしょうか。
 国や社会の秩序ができるまでは、日本でも様々な戦争があって、今の社会がつくられてきました。秩序が創られる前には、悲しい歴史がありました。
 悲しい歴史を踏まえて訪れた平和で秩序ある社会で、他国から決められた秩序ではあるが、平和を選んだ。満足しているわけではないが、やはり平和を望んだというわけです。
 こうして、つくられてきた社会や秩序だからこそ、ぼくたちはその秩序を大切に動かしながら、だれもが生きることができる社会を進化させていくことが求められていると思います。

武力による追求ではなく、自分たちの国をつくる

 帝国が崩壊、あるいは撤退してできた国家には、 隣国との統合を望む多くの人々がいることを知っています。 それは普通な事で理解できます。 かつての兄弟たちと一緒になり彼らと共通の目的を持ちたいと 思わない人など、いるものでしょうか? しかし、ケニアはそうした憧れを、力で追求することを拒否します。 私たちは、新たな支配や抑圧に再び陥らない方法で、 滅びた帝国の残り火から、自分たちの国を甦らせないといけないのです。

ANNニュースチャンネルより

 ヨーロッパの列強諸国に勝手に引かれた国境で、同じ民族や文化を持った人たちが分断されている。その中で、同じ目的をもって国を再編したい。こうした思いがある。アフリカで時々内戦が行われているのも、こうしたことからでしょうか。でもこうした思いは大事だけど、武力で追及することは断じて許されない。それは、平和で秩序ある社会づくりをヨーロッパ発ではあるが選んだだから、次の世代に平和をつないでいく責任があるという意味でしょうか。

 日本でも、今、いろんな新しい社会問題が生まれています。それに対応しながら、でも平和で戦争がない、人が生きられるということが、いつも基盤にはなくてはいけません。

民族統一や拡張主義

 私たちは、人種、民族、宗教、文化など、いかなる理由であれ、民族統一主義や拡張主義を拒むのです。 我々は......今日、再びそれを拒否したいと思います。 ケニアは、ドネツクとルガンスクの独立国家としての承認に重大な懸念と反対を表明します。 さらに我々は、この安保理のメンバーを含む強大な国家が、国際法を軽視するここ数十年の傾向を強く非難します。

ANNニュースチャンネルより

 こうしたアフリカ ケニアから見て、民族統一主義や拡張主義がエスカレートすることが、平和で秩序ある社会を壊し、人の命が奪われる。そんなことを知っているからこその意見です。
 ぼくは、安保理のメンバーなどの先進国と呼ばれる国々が、自国の利益のためにアフリカ諸国などに搾取を行っていることを、よく原貫太・フリーランス国際協力師の動画を見せていただくのですが、そんな状況を知ることができます。安保理のメンバーというのはロシアだけを、また今回のウクライナ侵攻だけの非難をしているのではなく、もっと奥深いメッセージだと僕には伝わりました。

多国間主義

 多国間主義は今夜、死の淵にあります。 過去に他の強国から受けたのと同様に、今日も襲われているのです。 多国間主義を守る規範のもとに再び結集させるよう求めるにあたり、 私たちはすべての加盟国が事務総長の後ろ盾となるべきです。 また、関係当事者が平和的手段で問題解決に 取り組むように求めるべきです。

ANNニュースチャンネルより

 多国間主義とは、3か国以上の国家が、共通の原則や規範に基づいて意思決定を行い、協調して行動すること。国際貿易では、2国間の問題でも他国へ不利益をもたらさないよう世界全体の枠組みの中で調整されるべきだという考え方だそうです。政治・経済分野での国際的相互依存が強まる中で強調されてきて、世界貿易上の障壁をなくし、貿易の自由化や多角的貿易を促進するために行われた多国間通商交渉である1986年から1993年に行われたウルグアイ・ラウンドは新しい多角的貿易交渉として注目され、それがWTO(世界貿易機関)に引き継がれているということです。

 世界で協調して行動し、枠組のなかで調整するという考え方に終結できればという思いだと思います。

国際的な秩序の中で平和が保たれるべき

最後となりますが、ウクライナの国際的に認められた国境と領土的一体性が尊重されることを求めます。」

ANNニュースチャンネルより

 最後は、ウクライナが国際的な秩序の中で平和が保たれるべきということを伝えられているのかと思います。

 僕は、このスピーチを聞いて、民族も文化も考え方も違う人たちが、一緒に国を社会の秩序をつくることの意味を感じました。よく分断が問題だとかいろんな考え方があります。でも人はひとりひとり個性があって、そんな人たちが集まって社会を創るわけで、どこかに偏ることは問題があります。おそらく社会を創る上ではパワーバランスもあるし、社会の中で苦しんでいる人もいるのだと思います。
 でもこうした考え方や文化の違いを乗り越えて、秩序をもって平和な社会がつくられることが、民主主義の価値かと思いました。

 実際にアフリカでもいろんなことが起きていると思います。このスピーチはきれいごとだという批判もあるように思います。でも、これも一つの真実で、ぼくが知らなかった、気づかなかった側面、ぼくにとっては深いスピーチだったと思い、ご紹介させていただきました。


 今日も最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。

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 人とテクノロジーをタップダンスでデザインする地方公務員 フクシンでした。
 また次の動画でお会いしましょう。 

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