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昆布の新たな使い方を打ち立てた「天満大阪昆布」。便利でおいしく栄養も丸ごととれる昆布とは

昆布といえば、長くて大きいものを想像する人が多いのではないでしょうか。「株式会社天満大阪昆布」の代表、喜多條清光さんは、そんな昆布市場に一石を投じた人物。長くて大きい昆布を取り扱うのはもちろん、少しの工夫でぐんと旨味が増す「昆布革命 上方仕立て」と、それを水に浸けてだしを取る「昆布水」を発表し、業界に革新を起こしています。 「昆布が好きでたまらない」という喜多條さんにお話しをうかがいました。

体重100kg、高血圧から救ってくれた昆布

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代表の喜多條清光さん

大阪に深く根付く昆布文化。江戸時代の流通の経路から大阪で昆布文化が発展し、現代でも関西人にとって“昆布だし”はなくてはならない存在のひとつです。
そんな大阪で、昆布屋を営んできた「天満大阪昆布」。品質の良い北海道産昆布を柱に、おいしいだし昆布を追求し続けてきた企業です。しかし、代表の喜多條清光さんはかつてそれほど昆布が好きではなかったと話します。

「昆布屋の次男に生まれ、家業は当然長男の兄が継ぐものだと思っていました。私自身高校時代は学生運動の最中で自由がない状態でしたから、大学は行かずにアメリカで楽しもうと卒業後に渡米し、1年ほど放浪の旅をしていたぐらいです。そんな中、早稲田大学に通っていた兄が作詞家として花開き、この道でやっていきたいと言い出した(喜多條さんの実兄・喜多條忠氏は、かぐや姫「神田川」をはじめ数々のヒット曲の作詞を手掛けた著名な作詞家)。じゃあ誰が家業を継ぐかといったら、私しかいない。つまり、いやいやで昆布屋を継いだわけなんです」。

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もちろん商売はしっかり行いながらも、あくまで昆布は「大事な商材」という意識。商材に手を付けるのはよくないと、自分ではほとんど昆布を食べることはなかったのだそう。時を経てバブルの好景気が訪れ、ものが飛ぶように売れたことから「ほとんど毎日飲み歩いていました(笑)」というほど遊びに遊び、不摂生がたたった結果、一時は体重100kgを超え、高血圧にもなってしまいます。

「主治医にもなんとかしないといけないと言われましてね。そこで昆布は体にいいから、と勧められたんです。ものは試しにと、昆布をひと晩水に漬けて出来上がる昆布水を毎日飲んでみたところ、徐々に血圧が下がり、体重も減少したんです」。

だし昆布を刻むという発想

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昆布をひと晩水につけておくといいだしが取れる

昆布の素晴らしさを体感した喜多條さん。昆布を「商材」ではなく「食材」と見るようになり、健康のことも考え、大好きになります。そうして昆布と向き合ったとき、顆粒だしの台頭によって家庭での昆布消費量がぐっと落ち込んでいることに気付くのです。

「昆布を使わなくなった理由は大きく3つあります。1つめは使い方がわからないということ、2つめはだしを取った後に昆布を捨ててしまうのがもったいないということ、3つめは家庭で和食を作らなくなったことです。そこで、簡単にだしが取れて昆布自体も食べられるようになれば、自然と和食も増え、昆布消費量も上がっていくのではと考えました」。

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関西では昆布といえばだしを取るものですが、沖縄では、刻んだ昆布を炒めたり炊き込みご飯にしたりして食べる文化があります。これに着目し、だし昆布を1mm幅にカットして昆布水を作ったところ、大きいままの昆布で作った昆布水よりも旨味がぐんとアップ。日本食品分析センターで調査した結果、なんと刻んだ昆布は旨味成分が37%もアップしていることがわかりました。

「たった1mmにカットするだけでこんなに違うものかと。大きいままの昆布がいいと昔から使われてきた歴史を、覆すような数値が出ましたので、これは“昆布革命”だと思いました。しかも残った昆布も、炒め物や煮物に加えればおいしく食べられる。さっそく商品化し、販売開始しました」。

テレビや雑誌で昆布水が話題に

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現在発売中の「昆布革命 上方仕立て」

「昆布革命 上方仕立て」を発売し、喜多條さん自身も赤いエプロンを身につけてPRした結果、テレビや雑誌から取材依頼が舞い込むほど話題に。喜多條さんが監修した昆布水のレシピ本も計7冊刊行され、多くの人が昆布や昆布水を知るきっかけとなりました。

「昆布や昆布水を使ったレシピは300を超え、SNSやブログでも発信しています。日本だけでなく海外でも昆布のおいしさを広めたいと、アメリカやドバイ、フランスなどにも輸出。ニューヨークでは昆布のワークショップも行いました」。

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昆布水を使ったボルシチ

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昆布〆ローストビーフ

このように日々昆布について考え、発信し続けている喜多條さんですが、「昆布業界を盛り上げるためにも、まだまだ広げていかなければ」と話します。

「ここ10年で昆布の年間消費量は最盛期の約半分に落ち込んでいます。昆布が昔ほど採れなくなったこともありますが、市場が衰退したことで昆布漁師さんへの対価も低くなり、後継者が育っていないという状況も大きいです。これを変えるためにも、今回『大阪販売戦略』で新たな販路を切り開き、広く大勢の人に『昆布革命 上方仕立て』を知ってもらいたいと考えています」。

多くの人の手に取ってもらいやすいようにと、まずは昆布2パック入りの少量サイズを展開していく予定。おいしくて健康的な食生活を叶える、とっておきの食材・昆布を見直すことは、豊かな食生活への第一歩かもしれません。

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詳しくはこちら

株式会社天満大阪昆布
06-6356-8447
大阪市北区天神橋1-13-8

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