見出し画像

幸せを手に入れる最後の方法 ~2年間のカウンセリング実録~ 7. 『かわいい』の意味②

 ここで僕はもう一度、少しだけ踏み込んでみた。

ただ聴くだけではなく、気付いてもらうための質問。固定観念に対する反駁。

前回の失敗を繰り返さないように、でもきちんと伝わるように、意識して投げかけてみた。



 そしてこの時から僕は、タイミングを見て少しづつ、こういったアプローチを混ぜることを意識するようになった。


「自分を好きでいてもらうための努力に疲れてきてるのかな?

誰に対しても、素のままの自分では愛してもらえないと思う?

愛されるように努力してきたのに、それが報われなかったと感じたらつらいよね。

咲笑ちゃんは、愛されるために努力することは自分を偽っていて良くないことだと思ってるのかな?

努力せずに、誰からも無条件に愛される人っているのかな?」



「好かれるように頑張った。それしか知らなかった。

父は相手にしてくれないし、母と祖母は良い子じゃないと叱るし、妹には馬鹿にされるし、そんな子ども時代だったから、いつも誰に対しても本物の自分より努力してきた。

無条件の愛は英語圏の人の中では感じる。

英語圏の人は、もちろん私を気に入らない人もいるけど、努力せずとも好きになってくれる人がたくさんいた。

今も、英語圏の人の前では素のままでいられる。『そのままの咲笑が素敵。』って言葉にしてくれるし、態度からも感じるから。

英語を喋るときと日本語を喋るときでは心意気が違うの。
英語を喋ってる時の私でずっといられるなら、彼のことなんて相手にしてない。

でも日本語を使う私は、『私が日本人なのに受け入れてくれた』ってところに感動して手放せずにいるの。

父に対しての努力は報われないと分かった。つらい。
きっと日本人(特に男性)には通じないって思う。」


お父さんに愛されたかった思いを彼に求めてたの?」


「みんなに求めてる。男性みんなに。
みーんなにお父さんの代わりしてもらおうとしてる。34才以上の男性みんなに。

私は8歳の時、『なんか愛されてない』って気付いたの。
その時の父の年齢。」


「そうか。愛されたくて、つらい思いをしたんだもんね。
日本人の咲笑ちゃんと英語版の咲笑ちゃんは別人なの?」


「根っこは一緒だけど枝葉は違う。」


「英語版の咲笑ちゃんは日本では出てこれないのかな?」


「英語圏の人といる時は出てくるよ。
彼の前でも初めはそうだった。

大概いつも融合してるけど、怖かったら日本人だけになる。」


「相手を怖いと思ってしまったら臆病な日本人だけになってしまうんだ…。特に男の人に。
同じ人でも毎年年齢は上がっていくよね。そしたら以前は平気だった人が怖くなったりすることもあるのかな?

通じないって思ってる?」


「怖いと感じる人に年齢は関係ないの。
私はもう31才になったのに、34才はいつまでも父親を求めてしまって彼に見えない。

彼は年下だから、彼として見られると思った。それなのに彼にも父を求めてしまう。

まーくんは怖くないよ。怖くないから助けて欲しいって思うの。
メンタルの男の先生にも、父から受けたかった優しさを期待してる。」


「そうか、実際の年齢じゃあないんだ。
愛されたくて生きてきた人生が、親だけじゃなくて、パートナーに対しても同じ無条件の愛を求めてるんだ…。
そして、僅かの怖くない人にしか助けを求められなくてつらいんだね…。」









幸せを手に入れる最後の方法
~2年間のカウンセリング実録~




最後までお読みくださり、ありがとうございました。


無条件の愛は、実はみんなが経験しているはずなんです。

だってそうじゃなければ赤ちゃんは生きられないから。

自分が愛された記憶はきっとどこかにあるはず。

たまには昔の写真を見ながら、埋もれた幸せを探してみませんか?



続きは明日更新します。

よろしければ是非おつきあいください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?