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映画「怪物」怪物×子供×大人×秘密基地×親×生まれ変わり

何が怪物なのか?中々に分からなかった。正直、シングルマザーの早織の息子、湊かなと序盤思ったが、よく分からなかった。担任の保利先生も悪くないとは言い切れない。保利先生が段々と校長や生徒から外堀を埋められていく姿は怖くはあったが、学級のいじめに気づいていないという点で、生徒からはよくは思われていない。鑑賞中は、視点が早織、保利先生、湊と変わっていく中で真実と共に怪物って何だろうという思うようになった。それにしても、校長がヤバかった。学校のためにいじめをなかったことにしようとしたり、いじめが判明すれば保利先生にすべての責任を押し付けたりと、怪物に見えた。孫が亡くなった原因は校長にあるように見えるが実際は分からない。湊と音楽室で一緒に演奏した場面では、哀愁を漂わせていたので、もしかしたら吹奏楽部の顧問時代に何かあったのかもしれない。まあ、校長まで出世しているので、表には出ていないが闇に消えた事実があるかもしれない。校長と夫が孫の事実について言い出さないように、何か重い事実が隠され、校長の人生に影響しているかもと想像した。

湊と依里との関係は一言で言い難いが、秘密基地でのワイワイ感は懐かしく思う。二人だけの空間だが、親や先生は放っておかない。生徒としての生活、それを強制する。二人は自由に生きたいのだが。秘密基地は危ない森の中にあるが、朽ちた電車で中々にワクワクした。昔の記憶がよみがえる。二人は楽しそうであり、大人には分からない空間になっていた。依里も父親から暴言をはかれており、いじめも受けている。最初は湊がいじめを受けている描写だが、実は依里が対象ということだ。それを保利先生は見逃しており、体罰について、いじめについてアンケートを取った時に生徒は先生が悪い、体罰はあったと書く。そこから、世間に晒されいき、社会が先生に対する態度から怪物として先生も認識されたように思う。早織から見れば、湊がいじめを受けていたと言うことだが、そこでも校長が暗躍していて、視聴者は校長が怪物とも見えてしまう。では湊も依里も怪物なのかといえばそうではない。真実は隠されており、何が怪物なのか一概には分からない。湊と依里は生まれ変わろうとして、雨上がりの野原を走る。怪物とは何なのか?というより、わりが怪物と決めつけてしまうのかもしれない。子供の世界と大人の世界は絡み合わず、独立したものだと思った。怪物とはなんだろう?

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