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映画「ノースマン 導かれし復讐者」感想 父の復讐かからの母の真実で物語は変わるが、王子は引き返せない事実

復讐とは?ストーリーは、10世紀のアイスランドが舞台で劇中では897年とあった。ヴァイキングの王子アムレートで未来を期待されているが、叔父フィヨルニルに父ホーヴェンディル王を殺されてしまい、未来が急転する。アムレートは復讐を誓いながら、王座奪還に向けて動き出し、叔父と母との関係に困惑しながらも、恋人とともに復讐をはたそうとする。正直な話、かなりグロテクスである。ヴァイキングの戦いがえげつなく、ある意味では視聴を釘付けにし、印象に残す。小屋に子供などを集め火を放つのはやり過ぎだが、当時はあったのかもしれない。奴隷制度があり、敗けたら人権がない時代たまからだ。これを観ていると、ヴィンランド・サガを思い出す。ヴァイキングの行為を描いていて、こちらもグロテクスである。同じ復讐をテーマにしていて共通点があったりするが、実写になると頭に残るイメージが強い。怖いというネガティブな感情が想起されてしまう。ノースマンは復讐を目的にするが、それはアムレート視点であり、真実は違う。母が願ったことなのだ。要するに、父は悪の奴隷商人であり、アムレートがイメージする父とは違ったわけだ。もちろん母視点だから主観があるわけだが。

そこがこの映画の怖いところであり、誰が正義なのか分からないし、悪なのかも不明だ。フィヨルニルも牧場を経営しており、奴隷は買うが手荒なことは少なく見えた。フィヨルニルは息子に敗けたら奴隷になる、だから戦いの準備をしておけと言うし、割と理知的だ。そこにアムレートが来るわけで段々牧場が壊れていく。結局、人は自分の考えでしか行動できなく、何かを破壊していく。そして、対話が不可能であり、殺戮の未来しかない。悲しいことだが、当時の世界観に観えた。アムレートは戦うが苦悩する。復讐がテーマだが、誰の視点かで物語の方向性が変わっていく。

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