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映画「『すずめの戸締まり』終映記念-最後の戸締まり」感想 すずめの行動×椅子のコミカル×リアリティ

終演らしいので、再度観てきたがやはり良かった。すずめの行動が一貫しているのがいい。草太さんもいい。

東日本大震災を真正面から描いている。すずめの死生観がその体験に起因しているのが印象的だ。

すずめの死生観は、よくアニメにもあるが、現実の話だけに説得力がある。賛否あるが、色々あるからこその議論。

松本白鸚さんのインパクトがすごい。名優なのだが、声の圧力がすごいよね。草太の育ての親というのも納得。

男女が長い旅だと、恋愛が絡んでくるが、椅子だと全然違う。マスコットの印象が強く、ギャグにもなる。

ずずめってすごいよね。フィジカルが高く、精神力が強すぎる。まさに主人公。閉じ師の才能がありすぎる。

閉じ師って関東大震災から存在していて、現実と絡めるとリアリティ出て怖い。古書とかありそうな雰囲気だ。

宮崎、愛媛、神戸、東京、岩手と全国を描いたロードムービーだ。すずめと椅子のコミカルなシーンが楽しい。

キスで草太が目覚めるのは王道だけどいいなあと。神戸のキスはすずめが楽しそうだから、あの頃からすきだったのかもしれない。そーゆー細かいシーンがあるのがこのアニメの良い部分。表情が非常に繊細なのだ。 

椅子の表情が可愛いが、一見表情がないように見えて、何となく見えるのが不思議だ。足と体全体の動きで表現しているように思う。

ラストは妖怪大戦みたいだが、終わったあとはすずめの過去との対話が残っていて、非常に泣ける。

幼いすずめと高校生のすずめ。母親と勘違いするぐらいすずめがいろんなものを乗り越えたからこそ。

本当にラストはいい。いってきますと共にエンディングが流れるのが印象的だ。乗り越えた。

明日があるか、それでも生きる。草太の言葉は心に残るのだ。ミミズとの災害との生きるためのすずめと一緒の戦い。

すずめちゃんは、フィジカル強めで、柵を乗り越えたり、観覧車にしがみついたりと、かなり体幹が強いように思う。今までになく、強いキャラだ。三葉とは違った、少し大人の女性になっている。東京で、裸足で血だらけで街中を歩くのは、痛そうと共に破傷風とかの病気になるのでは?と思ってしまった。すぐに岩手に行こうと気合を入れていくのは精神的に強くて、好感度が高い。ヒーロー的な要素もあるのが特徴だ。

草太は椅子になっているから、マスコット感がある。何か、馴染んできたとか遊園地での戦っていたが、こちらのイメージが強い。振り返ると、椅子の時間が長く、物語の序盤と終盤しか人間の姿を確認できない。主人公というか、主人公の恋人役なのに結構扱いが意外だ。かわいいからこそ、マスコットに見えてくる。ただあの椅子はすずめの重要アイテムだけに、岩手まで運ぶ役割もある。色々と考えられているなあと。イケメンだけど、頼れる兄さん感がある。

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