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映画「パリタクシー」感想 タクシードライバーと気品ある女性の話すがテーマの物語

人生って何があるか分からない。たった一人の乗客により人生そのものが変わることもある。一体何なのか?この物語は、タクシードライバーと老婦人により展開される。最後は、ある意味で予定調和だが、ハッピーエンドに見える側面もある。話すことで人生は変わり、話さないと確かに人生の彩りはなくなるかもしれない。話すことでストレスは緩和する。まあ、主観だが人に話すだけなのに、気持ちが軽くなるから不思議だ。そーゆー話をテーマの一つにして物語は進んでいく。最初はこんなほのぼの人情ものとは思わなかった。ラストに驚く作品である。

人は会話がないと、溌溂した人生を生きられないのかもしれない。自分をしがないと感じていたタクシードライバーがその人生を変えられたように。

タクシーの中では多くの時間を語り合うことができる。本作では、ドライバーと女性の会話の中で、自分の人生を見つめ直すことになる。そーゆーことは中々に起こらない。

仕事とはいえ、いろんな客がいる。運転免許がなくなる寸前のドライバーには、何かハラハラさせられる。家族も重要なテーマになっており、家族と生きてきた自分をお互いに話し合うことになる。家族の問題発生難しい。何が正解かわからないからだ。子供の頃は気にすることが少ない、経済状況を家族を持てば気にするしかない。お金の額、稼げる金額がそのまま家族の幸せにつかながっていく。お金がないと生活は苦しくなり、家族も離れる可能性がある。経済状況は深刻なときもあり、本作のタクシードライバーであるシャルルも金銭的に困っているのだが、客である92歳のマドレーヌとの出会いで変わる。最終的には遺産のような形で100万ユーロ渡されるのだが、それではない。マドレーヌとの一日で、シャルルは精神的に安定し始めて、生きようとする気概が生まれ始める。妻としっかり対話し、マドレーヌに会いに行こうとするのだ。精神的に安定するというのは、非常に重要であり、不安定では仕事にも集中できなくなる。特に家族と経済状況の話は答えるが、誰かに話すと気が晴れて前に進めた気がする。実際には状況は変わっていないが、友達などに話すと、現状が客観視されて、行動する余地を考えることになる。精神的に安定するというのはそーゆーことであり、まずはしっかり客観的に考える、思考の余白のことであり。考え事で頭がいっぱいでは良い案など浮かぶわけもない。シャルルとマドレーヌの会話からはそれを学べる。

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