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仕事初日でクビになった、34歳の決心。


仕事で上京して3日目。いま、東京駅近くのカフェにいます。

人生で初めて、クビになりました。

仕事初日に。



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与えられた今月のミッションは、現場での女性店長(Aさん)のサポート。

期間はたったの11日だったため、いち早く現場の状況と課題を知り、

初日から早速何か実践できればと、意気込んで現場に向かいました。




ヒアリングに関しては、私の唯一の特技

「初対面でも旧友のような感覚を相手に与え、本音を引き出す術」が奏功。

想像以上に荒み、疲弊しきった「現場のリアル」と、

終わらない会社への不満、愚痴をヒアリングすることができました。

そのあとはAさんに張り付き、いろいろな作業を教えてもらいつつ

店長としてのお悩みをヒアリングし、雑務も含めたサポートに努めました。

私の経験やスキルも喜ばれ、スタッフのみんなと打ち解けることに成功!

初めての立ちっぱなし仕事は相当大変だったけど、方向性もクリアになり

それなりに手ごたえを感じることができた、そんな一日でした。




そして10時半、その日の業務が終了。

「終わり次第、Aさん宅で私が使う布団を会社に取りに来るように」

と社長に言われている、とAさん。

実はこの日、PMS(生理前の不調)が非常に酷く、

腹痛・腰痛は薬を飲んでも治らず、

店でも何とか立っていられたような状態。

会社まで往復で1時間かかり、明日も夜10時半までの勤務であることや、

明日以降は症状がもっとひどくなることを考慮して、

「今日は同じベッドで寝ることにしたので、

後日受け取りにいきたいのですが…」とお伺いの電話を入れました。

始発出勤の4時半起きもあって、もともと体力のない私にはキツイ。




しかし、社長は「とにかく来て」の一点張り。

明日以降、自分が潰れてしまうことのほうがずっと怖かったので、

社長に正直にPMSのことをお伝えすると、

Aさんに話があるからと、彼女が一人で会社へ行くことに。




午前1時、やっと彼女が帰ってきました。

開口一番

「社長が、明日大阪に帰りなさい、って…」




え・・・?




驚きと同時に、湧き上がる安堵感。

「一か月間、1日も休みがなかった」とAさんに聞いていたこともあり、

素直に、ほっとしてしまいました。

しかしAさんは、自分で口にしつつも、驚きと戸惑いを隠せないようす。





その夜は3時まで、ベッドで体を休めながら、

誰にも話せなかったという彼女の話をずっと、聞いていました。

すると彼女の口から、次から次へと恐ろしい事実が、出てくる出てくる。

ますます「早く辞められてよかった」という気持ちと、

Aさんを救いたかった、という気持ちがごちゃごちゃになったまま、

いつの間にか寝ていました。




目覚めると社長から、LINEが来ていました。

クビの理由は、「私が会社を批判した」というもの。

社長は現場におられなかったので、Aさんの話から、

社長なりにそのような解釈をされたのだと思います。

Aさんは、年内に仕事を辞めることを決めていて、

もしかすると私が店長になってくれ、

自分は早く辞められるかも!と思っていたらしく(素直・・・)

彼女が私を悪く言う理由はありません。




いずれにせよ、いち社員の現場改善のための意見や提案を

しかも又聞きで、「会社への批判」と解釈する人だったなんて。

初日から「命令に背いた」私を切るための口実だったのかもしれません。

思い返すと、社長が「とってもいい子なの」といっていたのは、

「新卒」の、社長の意見にただ同調するだけの男の子だった。

社長は自分に絶対服従してくれる「犬」が欲しかったのかもしれません。




会社や体制への不満をためこみ、

死んだ魚のような目をしてはたらいていた、哀れな社員。

一方、自分が彼らの問題の元凶であることに全く気づいてない、

完全な裸の王様、社長。

たった一日だったけれど、こんな「社会」の一員になるくらいなら

細々とでも自分の好きなことで収入を得たい。

はあちゅうさん的にいうところの「自分を仕事にする道」を選びたい。

心からそう思いました。




今日一日は、今月の残りを過ごす計画を具体化して、

これからの生き方を考える一日にします。

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