聞く、傾聴の土台となる聴くとは?
だれかに話を聞いてもらっている時に、その人から、「聞いていあげている」と感じることはありませんか?
もう一方で自分自身に目を向けてみる。
誰かの話を聞いている時に、自分自身の心のどこかに「聞いていあげている」という感覚が少しでもありませんか?
1on1が上手くいかない。
コミュニケーションが取れない。
その裏には、この「聞いてあげる」が聞き手のなかに存在しているのかもしれません。自分が聞かれている時にも。そして、聞いている時にも。
では、その聞くとは何か。聴くとの違いは何か。
これから感覚的なお話をしますね。
聞くとは、私が話すために聞く。自分にとって有益な情報が欲しいという欲求からはじまります。そして、相手から出てきた言葉(情報)を自分自身の頭の中にある情報と比較し、あたかも正誤を確認するかのように情報を受け取っている。
聴くとは、相手を理解するために聴く。相手を知りたいという欲求からはじまります。そして、相手が見ている情景を、相手が感じている感情を一緒に味わう(理解する)ために聴く。そこには、相手が大切にしたかったことがあることを信じるように言葉を受け取っている。
そうすると、何が起こるのか?
聞くは、私の情報とあなたの情報の正誤を確認するかのように聞いているので、自ずと聞き手と話し手が対面(対峙)しているような感覚がうまれる。なので、関係性も遠いものと感じやすい。まさに、私の持っているAとあなたの持っているBのどっちにする?というのを決める話し合いになる。(A or B)
これは、合理的・効率的な話し合いが必要な時には効果的であり、強力な推進力などを生み出します。
一方、聴くは、相手を理解するよるために聴いているので、自ずと聴き手と話し手が近くなり、同じものを見ている(横並び)ようなな感覚がうまれます。あたかもお互いが一体化したように感じている。私の持っているAとあなたの持っているBが一体化され、なにか新しいものが育まれるような聴き合いになる。(A×B→D)
これにより、尊重し合う関係性になったり、本質的なものが見いだせることにより、創造的で革新的な対話になってきます。
ちなみに、聴くは聞くと傾聴の土台になると考えています。
それはなぜか?
聴くことにより、私のAとあなたのBがより明確になります。AやBの裏にある想いや、いきさつも受け取れるので、AorBの選択がより明確に出来るようになります。
つまりは聴くことにより「聞く」が進化するのです。
聴くことにより、「傾聴」も進化します。
傾聴を文字にすると「聴」を使用しています。しかし、私たちは傾聴をしていると言いつつ、その聞き方は、「聞く」になっているのではないでしょうか?
最近、流行りになっている1on1が、「うまくいかない。」「いままでの業務面談と何が違うの?」と話がでるのも、まさに「傾聴」はなく、「傾聞」になっているからだと考えています。
なので、聴くことにより、傾聴も進化するのです。
では、「聴く」にはどうすればいいのか?
話しが少しそれますが、私には小学生の息子がいるんです。
数年前に彼が補助輪なしで自転車に乗れるようにサポートする際に教えられたことって
・ハンドルをしっかり握って
・前を見て
・ペダルをこいで
の3つでした。
それでも、息子の自転車を後ろから支えながら、「パパ、はなさないでー」と「どん!」と転ぶを繰り返えして、彼は自転車に乗れるようになりました。
きっと、息子の中で体感としてバランスをとれるようになったのだと思います。
では、「聴く」にはどうすればいいのか?という問いにお答えします。
あえてお伝えするなら
・ 「何をたいせつにしているかな~」と聴く
・ 遮らずに最後まで聴く
・ 相手の表情も観察する
の3つです。
ただ、それだけでは聴けるかと問われると、自転車と同じなんです。
ご自身の中で、「聴けたかな?」それとも「聞いていたかな?」を繰り返しながら、体感で習得していただく必要があります。
ただ、withfeelingのプログラムを3ヵ月間、ご体験いただくと、多くの方が『「聴く」ってなんだか分かった。』とおっしゃります。
そして、それが面白いことに、ひとそれぞれなんですよね。
ひとそれぞれの「聴く」も今後、ご紹介していきますね。
聴く体感で習得するポイントはこちらの記事でご紹介しています。
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