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LDLメンバー岩花さんインタビュー ~地方議員が今すぐやるべき事、できる事~

まちづくりの第一人者木下斉(ひとし)氏が所長を務める、まちづくりの実践者コミュニティー「Locally Driven Labs(以下、LDL)」。私も「アソシエイト」という立場で所属し、学ばせてもらっています。

今回はそのLDLメンバーであり、福岡県築上郡上毛町で町議会議員を7年勤められている岩花さんにインタビューさせて頂きました。

そもそもなぜ議員を志したのか

私自身は民間企業の社長をしていますが、失礼ながら行政や議会にはあまり良い印象を持っていません。そのため知り合いにも議員さんは少なく、そういう意味では貴重な機会となりました。

岩花さんは旧知の先輩格の方が町長になられる際に「お前も議員になってサポートしてくれないか」という誘いを受けて立候補されたそうです。とはいえ、「じゃあ立候補します」といってすんなり当選するような訳ではないでしょうから、おそらく岩花さんは既に知名度も人望もお持ちだったでしょうし、議員としての人生もやぶさかではなかったのだと想像されます。

議員の使命と現実

岩花さんは問題提起のテーマとして地元にある「道の駅」の経営状況を取り上げておられました。「地域活性化の起爆剤」を期待され、全国各地に建設された道の駅は、作ってはみたものの、結局税金の補填なしには運営が立ち行かず、中には補填してもなお赤字を計上している施設も少なくないとか。

岩花さんの地元でも芳しくない状況になっているそうですが、運営している第三セクターの会社社長は町長であり、岩花さんの恩人でもある方です。異を唱えてみてもなかなかすんなりとは行かず、歯がゆい思いをされているそうです。

「地域をより良くしよう」という想いは皆さん同じです。でもやり方や考え方は違う。そしてそのやり方が合っているかどうかは、やってみないと分からない。さらに、税金を使って具現化してしまったら「失敗でした」とは言えない。

それを正しき道に導くというのは、議員であっても(一般人よりは声が届きやすいとはいえ)そう簡単な事ではない、という印象を持ちました。

では地方議員はどうすべきなのか

ここは岩花さんと私とでいろいろ議論しましたが、木下氏の真似をしてド直球で吠えまくれば誰だってうまくいく、というものでもないでしょう。かといって、当たり障りのない事ばかり言っていても進展はないですし、根回しばかりしていても埒があきません。

岩花さんによると、現在の上毛町議会の中には真の同志と呼べる方(木下氏の考え方に共感できる方)はおられないとの事。そのような方がせめて一人でもいれば心強いのですが、それまでは地道に啓蒙していくしかないのかもしれません。

木下氏が時々仰る事で示唆的なものがあります。曰く「行政が変わるのは最後である。まずは個人が変わり、民間が変わり、地域が変わり、それによって行政が変わる。そのためには、小さくてもいいからまずは動いて、実績を作る事がスタートである。」

行政に責任がないとは言いませんが、だからと言って行政に文句ばかり言ってみても始まらないのかもしれません。