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お隣のくみちゃん。

昔お隣に住んでいた、くみちゃん。
私より2歳年上のお姉さん。

物心ついた頃から遊んでくれた。

水たまりに稲を植えて「田んぼ」を作ろうとしたり、
アイドルの歌と振り付けを教えてくれてコンサートごっこをしたり、
(私の弟に懐中電灯で照明を当てさせるリアルっぷり)
「リカちゃん人形って夜中になったら走り回って運動会してるんだよ」
とニヤリと笑って話したり。

そんなくみちゃんのことが好きだった。

私が小学校に行くようになると一緒に登校し、
放課後は一緒にピアノ教室に通うようになった。

ピアノ教室では自分の順番が来るまで、漫画を読んだり絵を描いたりしていた。
くみちゃんはいつも「こんな絵を描いて、あんな絵を描いて」とリクエストした。
絵を描くのが好きだった私はいろんなものを描いた。

ある日、くみちゃんは私の絵を友達に見せながら言った。
「いいでしょ〜!こんなの描いてって言ったら思い通りに描いてくれるのよ!」

少し自慢げに話すくみちゃん。
その姿を見て不思議な気持ちになった。

私にとってはいつものこと(絵を描くということ)なのに、
くみちゃんが嬉しそう。
あれ?私も嬉しい...。

その時、気がついた。
自分の力で誰かが喜ぶのってこんなに嬉しいんだ。

それが今、ゆるフリーでストックイラストレーターをしている原点かも。

自分の能力が大小関わらず誰かの役に立っているって、嬉しい。

この先、世の中がものすごいスピードで変わっていっても、
この気持ちは変わらないだろうなぁ。
イラストはAIを使ったり、今はまだ無い何かの表現方法に変わったりするのかもだけれど。

最近ストックビデオ(ストックアニメーション)販売を始めてみた。
販売中のストックイラストを動かす。
楽しい。

「楽しい」も「嬉しい」も仕事のモチベーションになる。

誰かのために、自分のために。
時代の流れで変わっていくことがあっても、
初心を忘れず、継続は力なり!で。

この先もそんな働き方でいたいな。

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お隣のくみちゃんは大人になって美容師さんになった。
子育てを終え、また美容師さんに復帰したと年賀状で知った。
彼女も自分の能力を誰かが喜ぶことに使っている。

私もまだまだ頑張るよ、くみちゃん。


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