眼鏡合わせで大切にしている「共感力」についてお話しします。
皆さんは眼鏡合わせは得意ですか?
私は得意とはいいませんが、眼鏡合わせは好きです。
とはいっても、昔は苦手でミスばっかりしていましたね。
先日、こんなツイートをしました。
視能訓練士になりたての頃は、
50代の調節力はこのくらいだから、+〇D加入すればOKのハズ
みたいな、理論に基づく眼鏡の合わせ方をしていましたね。
で、
『つくった眼鏡が全然合わないやないかぁ~!!』
って患者さんから怒られていました。
今はというと、眼鏡合わせで苦情が来ることはほとんどなくなりました。人間ですから100%はありませんが、あることを意識し始めてからは各段と減りましたね。
(もちろん、最低限の眼鏡合わせの知識があると仮定した上でのお話しになります)
眼鏡合わせのオーダーが来たときの第一歩は?
ドクターから眼鏡合わせのオーダーがきました。
遠用・近用・遠近両用、いろいろとありますよね。
皆さんはまず最初に何をしますか?
人によってさまざまな考え方があると思いますが、私はまず
ことから始めます。
年齢、性別、病名、問診に書いてあること、持っている眼鏡から読み取れる情報、レフの値やレフの信頼値、その他使える情報はすべて使う。
その上で、コミュニケーションをとるようにしています。
そしてよく、『実は私もそうなんですよ~』と、付け加えます。
(特に近用作業でお困りの場合)
『もしかして、スマホを見る時間が最近多くなったりしてません?』は8~9割が共感してくれるおすすめのフレーズです。
患者さんから
『そうなんですよ~』
と言葉を引き出せると、経験上そこからは眼鏡合わせがスムーズにいきやすいですね。
眼鏡なんかかけたくないと思っている患者さんの場合
とはいえ、眼鏡合わせのオーダーが来て患者さんをお呼びすると
『私は眼鏡なんてかけたくないの』
『眼鏡なんてなくても、俺は困っとらん』
ていう患者さん、いますよね…。
昔は嫌(今でも好きではないけど)でしたが、こんなときこそ共感力を使います。
自分の意見を押し付けることは絶対にやってはいけませんし、本当に無理な場合は無理はしません。
怒られるのは嫌ですもんね…(笑)
では、どうするのか。
それはできるだけ相手に
「まあ、言われてみれば」くらいの共感を引き出すのです。
例えば40代になったばかりで、レフが+1.0Dの人。
明らかに近用をかけた方がおすすめですが、自分は目がいいと思っていて(だいたい自慢気)眼鏡なんてて思っている。
間違っても
『あなたは老眼が早くでやすいから、かけた方がいいんですよ』
なんてことは言いません。
私は
『もしかして、昔って(2.0)とかあったんじゃないですか?凄い羨ましいですね~』
とか言ったりします。
すると、だいだい自慢気に
『そうなんだよ(なんだ、わかっているじゃないかあんた)』
みたいに言ってきます。
そこで
『最近ってスマホとか見る機会多いじゃないですか?結構疲れたりしません?私なんかすぐ目が痛くなるんで、そんなときだけ眼鏡かけるようにしているんですよ』
っていって、+0.75Dくらいの試しをかけてもらいます。
理屈上、+0.75Dでは度が足りないですよね?
そこは実は問題じゃなくて、患者さんに「うん、たしかに。なんかこれくらいならあんたの言うようにかけてもいいかな」
という共感を引き出すことが大切なのです。
とはいえ、それでも不満そうに眼鏡をかけたくない患者さんには
『そうですよね~まだ困ってないですもんね。でももしちょっと辛いなって感じたら、いつでもまた来てくださいね』
って笑顔でサヨナラします。
相手の共感を引き出すゲーム
というと、ちょっと怒られるかもしれませんが、
『相手の立場になって考え、共感できることを引き出す』
ことができれば、眼鏡合わせは本当にスムーズにいきやすいですよ。
共感力を身につけたい人には、この本がおすすめです。
たくさん経験して、ぜひ多くの引き出しを持てるようにして下さいね。
個人的には、自分が老眼になると…めちゃ共感引き出せますよ。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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