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弱視と告げられて涙ぐむお母さん。そんなときにも、いやそんなときにこそ必要な「共感力」

先日、こんなツイートをしました。


別主訴で来てた2歳の男児。
スポットビジョンスクリーナーで片眼S+5.0D。スキアでも+4.0D。
調節麻痺後の検査で、おそらく眼鏡が必要になるお話しをした。
突然のことで、お母さんは涙ぐんでいた。
「あのとき発見してくれてよかったです」
そう思ってもらえるように、わかりやすく説明して、全力でサポートするぞ。

多くの《いいね》や《リツイート》していただき、ありがとうございます。

視能訓練士以外の方にも、特に多くの眼鏡関係者から反響をいただきました。

Twitterの文字数だけでは語り切れない部分があるので、私なりのサポートする方法について説明してみますね。

治療の必要性をわかりやすく説明する?

以前の私は、ここを一番重要視していました。

こんな風に。⇩

お子様の右眼と左眼には、かなりの度数差(視力差)があります。
このまま放っておくと、よい方の目ばかりを使うことになり、度数の強い方の目の視力が上がってきません。
度数が強い方の目は像がぼやけている状態にあるので、眼鏡をかけてぼやけている像をはっきり見えるようにします。
それだけでは視力が上がってこないので、よい方の目を隠す時間をつくってあげて、意識的に視力のでていない目を使うようにしましょう。
一般的には8歳くらいまでに訓練をしないと、その後に頑張っても視力が発達しない恐れがあるんですよ。

間違っていることは、言ってなさそうですよね。

治療の必要性を伝えることに関しては。

そうはいっても、治療の必要性を伝えて早急に眼鏡をつくって治療することが重要でしょ。私も説明そのものが間違っているとは思えませんし、今話したことはきちんと説明します。

だけど、ちょっとベテランとなった私が重要視することは、ズバリ「共感力」です。

弱視を発見したときも大切な「共感力」


先ほどの説明の中に、私が加えた説明がコチラです。

「とってもショックですよね。可愛い小さい子に眼鏡なんて、かけさせたくないですよね。」

「今、急にこんなお話しされても、頭に入ってきませんよね。弱視に関して書いたわかりやすい冊子があるので、お時間あるときに少し読んでみて下さいね。」

「もちろん、どんな小さな疑問でも帰って気になったらお電話して下さいね。」

「ご主人や他のご家族様に説明が難しいと思いますので、いつでもご一緒にいらして下さい。私から何度でも説明させてもらいますよ。」

「ごめんなさい、今度の検査のときには〇〇君はきっと泣いちゃいます。上手に検査できたらいっぱい褒めてあげて下さいね。」

そして少しお母さんが落ち着いた頃に、こう続けます。

最後にちょっとだけ…最近の眼鏡は「結構オシャレ」なんですよ。

実は私の娘は生まれてすぐに、大きな手術を2回うけて、「助からないかもしれない」と何度か言われたことがあります。多くの先生やNICUの看護師さんのおかげで、今は元気にしていますが、そのときに思いました。

「事実だけを述べる先生」と「寄り添ってくれる先生」の違いに。

私は「寄り添ってくれた」って思える視能訓練士を目指したいなって思っています。

とはいえ、バタバタしてると表情に余裕がなくなり、できなくなることも多いですが…反省。

話しを戻します。

私の個人的な意見として考えていただきたいのですが、私は

✅「治療の必要性」=「患者の気持ちに寄り添う」

同じくらい重要なことと考えています。

もしかしたら、《ロービジョンケア》に関わるようになり、その中で少しずつ身についてきたのかもしれません。

もしこれを見た視能訓練士の皆さんが、「患者さんの気持ち」に寄り添う声かけをしようって思ってもらえたら、嬉しい限りです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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