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高校の部活で火薬的なものを作った話

 高校時代は科学部に所属していました。

 本当は弓道部に入ろうと思っていたのですが、見学者が多く「こりゃレギュラーとか無理なんじゃね?」という理由で、3年生が2人しかいない科学部に仲がいい友達6人で入ることにしたわけです。(実際は弓道部の新入部員は3人だったので、弓道部でもよかった)

 で、何をしていたのかというと、基本的には砂糖を熱してべっこう飴を作っていました。あとは、漫画を読んだり、だべったりと、真面目に活動はしてないですね。(3年生は「タンパク質をなんちゃらかんちゃら」という、とても高度な実験を長期にわたってしてましたが、「なんちゃらかんちゃら」と書いたあたりで察してください)

 ですが、それだけだと活動実績として微妙なので月一で適当な実験を行ってレポートを書いていました。真面目に活動はしていないと言えども、別に不真面目な部員というわけではないので。

 簡易火山的なものを作って科学室を灰まみれにしてみたり、綿菓子を作るために綿菓子機を作ってみたり、特に必要もないのにかっこいいという理由で白衣を買ってみたり、延々と色が変化し続ける液体を作ってみたり、それなりにいろんなことをやりました。

 どうしてそうなるのか? というよりは、よくわからないけれど、たーのしー! という感覚でかなりエンジョイしてたと思います。(でもそれ以上にエンジョイしていたのはスマブラです)

 そしてタイトルに繋がるのですが、その時もたまたま科学実験の本を流し読みしながら楽しそうなものを探していると、見つけたのが火薬的なものの作り方のページ。

 簡単に内容を説明すると、何種類かの薬品を調合したものを紙に染み込ませて乾かしたら、衝撃を与えると破裂音がするようになるというものでした。

 こんな楽しそうな実験、高校生男子としては見逃せない。

 結論から言うと、その実験は成功しました。乾いた紙をスプーンで叩くと、「パーンッ!!」と、陸上競技で走りだすときのような高い音が出ました。(思い出補正がかかっているかもしれません。もう少し小さかったかも)

 でも、今回は実験の過程はどうでもよくて、その後の話。

 片づけをする時に、盛大に床にこぼしちゃったんですよね、調合した薬品を。

 ですが、そんな時はあわてず騒がず落ち着いて、雑巾で綺麗にふき取って終了。そのまま下校したわけです。

 そして次の日、登校してみると何やら見知った顔……というか、科学部員の2人が下駄箱の先で先生に怒られているではないですか。

 科学部なんてものが入部する選択肢に出現するぐらいですから、部員たちはわりと真面目でおとなしい優等生タイプばかり。(むらさきさんがそうだとは言っていません)

 だから部員たちのそんな光景は珍しく、不思議に思いながらも、むらさきさんは靴を脱いで、校内用のスリッパ(うちの高校はシューズではなくスリッパ派)を手に取り、床へと投げました。

 と、ここまで書いたらなんとなく予想できるかとは思いますが……

 はい、そうです。 

「パーンッ!!」

 下駄箱に破裂音が響き渡り、その後に

「お前もか!!」

 という、他の部員を怒っていた先生の怒鳴り声。

 ははーん、わかりました。前日床にこぼした火薬がきちんと拭き取れておらず、その上を移動するうちにスリッパに染み込んでいたわけですね。なるほど。つまり、むらさきさんの前に怒られていた2人にも同様の事が起こったわけだ。

 一瞬ですべてを理解したむらさきさんは、おとなしく怒られたそうな。

 この実験で学んだことをお伝えします。

 くれぐれも薬品の取り扱いには注意しましょう。

 ちなみにこれは余談ですが、その日のうちに、もう一度むらさきさん達は先生に呼び出されて怒られることになります。

 そりゃそうですよね。

 だって薬品をふいた雑巾と理科室の床も、「パーンッ!!」という甲高い音を奏でたわけですから。

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