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不動産の詐欺(Scam)にご注意

悪い人というのはどこにもいるもので、不動産の取引でも当然存在します。パンデミックにより州外からリモートでの住宅購入もあり得るようになりましたがそれに伴い犯罪も高度化しています。

フロリダ州では住宅購入需要が高く現時点でとてもホットな市場といえます。パンデミックにより都市部に集中しなくてもリモートで仕事ができるとみんな気が付いたことも要因です。さて、そんなフロリダで注意すべき最近の詐欺の事例を紹介します。

①Escrow Wire Fraud
Escrowとは第三者(通常Title Company=名義会社)が住宅購入にかかわるお金を管理すること。買い手側はこのEscrow口座にお金を送金し、売り手の物件を購入するお金や税金など手数料の支払いはこのEscrow口座から支払われます。
ここで起きる詐欺はWire Fraudと呼ばれるもので、Escrow口座へ送金(Wire Transfer)するときに偽物の口座情報を伝え送金させるというものです。

対策
Escrowの情報はオファー時の契約書に記載してあります。契約にかかわる不動産エージェントそれ以外の送金先情報が「振込先が変わりました」といった内容で、かつメール連絡のみの場合は注意です。必ずエージェントに「振込先はこの口座番号で良いか」を確認したうえで行うようにしてください。
②Rental Scam(賃貸詐欺)
賃貸住宅をお探しですか?皆さんオンラインの不動産ページなどでリース可能な住居を探されるかと思います。さて、この賃貸可能な物件の情報自体が嘘だったらどうしましょう。
これはレンタルスキャムと呼ばれ、まるで住宅がリース可能かのように空き物件の内覧写真や細かい情報が載っていて、そして住所も本物というもの。事前の内覧依頼をしたら「まずはデポジット(敷金的なもの)を払ってくれ」といわれ、払ったものの実際に行ってみたら「そもそも住宅を賃貸に出していない」「オーナーはそんなこと聞いていない」という事例。
これはオンラインに載っている住宅の情報(マーケットに売りに出している、過去販売時の写真が残っている)を犯罪者がコピー、コンタクト情報だけ変更して偽装。オンライン内覧だけで賃貸契約を結ぶと敷金としてデポジットを取られるという詐欺です。

対策
内覧前に「前払い」「しかも現金」を要求されたら要注意です。また、実際に自分の目で住宅を見ることでその家が「売り」に出されているもので賃貸向けではなかったなど知ることができます。※実際に私の友人で、そのエリアでは安い家賃なので内覧をしに行ったらその家の住人と鉢合わせ。話を聞いたら「あなたで4人目ですけど、それは私が掲載した賃貸情報ではなく詐欺です」といわれたとのことでした。
③Loan-Flipping Scams
この詐欺はリファイナンス時におこるもので、悪質なLender(ローン会社)が何度も何度もリファイナンスさせ、そのたびに高額なポイント(Loan Origination Pointと呼ばれます)、つまり手数料をとり、結果的にリファイナンスしても安くなるどころか月の支払いが上がるというものです。

対策
知っている会社のみとやり取りすることをお勧めします。大手銀行や、または参考としてBBB(Better Business Bureau)のリストで対象のローン会社の評価を見てみると良いです。低い評価ならあまり評判が良くありません。

ところでリファイナンスといえばConventionalのローンを組んでいて、まだPMI(ローンの保険)を払っている場合は今がチャンスです。今の高騰した市場は好都合です。
PMIはローン残高が住宅価格の80%以下の場合に課されますがこの高騰した住宅市場でみなさんEquity(資産価格)が上昇しており、ConventionalならAppraiser(住宅価格の審査)を依頼し、ローン残高がその分減ったとみなされればPMIを外すことができます。
リファイナンスの場合手数料(Loan Origination Point)とかが高額ですがAppraiserを呼ぶだけならとても安く済みます。

このCrazyと評される売り手市場は必ず終わりがきます。それまでに利用できるものは利用してしまいましょう。

④Property Fraud
勝手に自分の住宅を売りにだされる事例が出ています。州外のオーナーも含めて知らないうちに第三者が不動産エージェントに連絡をとり、勝手に売買契約を結んでしまうというものです。
売りに出ていた住宅を買った買い手も、勝手に売りに出されたオーナーも、みんなが悲しくなる事例ですが実際に起きています。
不動産エージェントも顧客にはIDの提示などを依頼していますが「現在VISAの更新中で大使館に預けたためパスポートが手元にない」などの理由でIDの提示を拒むことがあるようです。
こういった事例はオーナーが勝手に「For Sale」の立て看板を軒先に建てられて発覚、など事後発覚が多いためお気を付けください。

オーランドエリアにお住まいのみなさま、④のProperty FraudについてOrange郡が無料での警告サービスを開始しました。
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無料で登録可能です。事後発覚でびっくり!というのを防ぐためにも積極的に活用しましょう。
第三者があなたに成り代わり契約などを行うとき、「あなたの名前が使われてますけど本人ですか?」という感じの案内が来るそうです。

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