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#19:こんなときだから♪4月のはじまり

チャイコフスキー:『四季』より 4月「松雪草」

今日から4月がはじまりました。
月の始まりの日は、チャイコフスキー(1840-1893)がロシアの1年間の風物詩を音楽で描いた『四季』から1曲ずつご紹介します。
この『四季』は,ロシアのペテルブルクの音楽雑誌「ヌーヴェリスト」の企画依頼で毎月1曲ずつ発表されました。
月刊誌の巻末にある「今月の1曲」といったところでしょうか。チャイコフスキーは,12曲それぞれ,ロシアの風土を讃えた詩からインスピレーションを受けて作曲したと言われています。また,楽譜にもその詩が添えられました。

4月のタイトルは「松雪草」。またの名を「スノードロップ」。春を告げる花と呼ばれています。
アポロン・マイコフの詩が引用されました。

空色の 清らかな
雪割草の花
傍らには透き通った
なごりの淡雪
過ぎ行く哀しみに寄せる
最後の涙と
やがて訪れる幸せに寄せる
最初の夢と……
(ピティナ・ピアノ曲辞典の解説より引用

この時代のロシアでは旧暦を採用していたため,今の季節感と若干のズレを感じるところもありますが,先週末の東京では桜に雪化粧となり,まだ冬が抜けきれていない早春の雰囲気が漂うこの曲にぴったりな情景となりました。

そして「松雪草」の花言葉は「希望」。

世界は,雪から顔を出して咲く松雪草のように,小さく,儚く,今にも押しつぶされそうな状況なのかもしれません。
しかし,そんな状況でも一人ひとりが「希望」を失わなければ,必ず温かい春がやってきます。
そのために,グッと耐えるところは耐えて,一人ひとりの冷静な振る舞いが求められていると言えるでしょう。白くて凛とした松雪草のような姿を忘れないように日々過ごしたいと思います。

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!


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