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#44: こんなときだから♪レスピーギ〜古代への旅「ローマの松」

レスピーギ:交響詩「ローマの松」より アッピア街道の松(1924)

#43 -49のテーマは「故郷に寄せる思いー情景と音楽」

本物のミケランジェロ,レオナルド・ダ・ヴィンチ,スカラ座で聴いたオーケストラ,圧巻のドゥオモ,神秘に包まれたポンペイ遺跡,そしてパスタ,ピッツァ,ジェラート,ティラミス…….初めてイタリアの土地を踏んだのは今から約20年前のことですが,とにかく見るもの,聴くもの,口にするもの全てが本物! なんて素敵な国なんだ!! と感激しました。

本日は,そんなイタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギ(1879-1936)の交響詩『ローマの松』から,終曲にあたる「アッピア街道の松」をお送りします。
イタリアの音楽といえば,オペラかカンツォーネというイメージがありますが,このレスピーギは,管弦楽法(オーケストラ)の開拓に力を入れた音楽家です。

というのも,レスピーギ自身,古いものがお好きだったらしく,16,17世紀のいわゆる古楽の復興にも熱心に取り組み,ライフワークとしていました。そんなレスピーギの代表作といえば,「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭り」のローマ三部作と呼ばれる映画のようなオーケストラ作品です。

本日お送りする「ローマの松」は,ローマにある4つの松について描かれています。こちら,日本人からすると「松」ってどちらかといえば静なイメージ。やっぱり桜に比べると派手な感じはしません。しかし,レスピーギの松は,一言で言うと男のロマン! 何百年も前からこの地に根を下ろしている松が見た風景,その妄想は古代ローマへと遡ります。

この曲,お聴きいただけるとわかるのですが,スターウォーズも吹っ飛ぶほど壮大です。松>宇宙 なんです(笑)

ちなみにオーケストラも大編成であり,舞台上のほかに,別の場所,例えば客席の2会席からファンファーレを演奏するように指示がされていたり(これをバンダと言います),音響的にも立体感がでるような工夫が施されています。

最初の出だしに騙されないように,終盤の爆音に注意してお聴きください。
この音のシャワーをコンサートホールで浴びたら,やっかいなウィルスも吹っ飛びそうなんだけどなーーー。

今日もみなさんにとって,素敵な一日でありますように!


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