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旅行を心から楽しみたいなら、スマホを放り投げてしまえ!

私たちはあらゆる場面で写真や動画を撮る。

最近は、スマホを使えば誰でもキレイに簡単に撮れるようになった。技術の進歩はすごい。ちょっと前までは「きれいに撮る」となると、デジカメやビデオカメラが主流だったのに。

たとえば、ディズニーランドに行ったとき、長い列に並んでまでミッキーやミニーと写真を撮る。

たとえば、プロジェクターでNetflixを流して、なぜかInstagramのストーリーにあげたくなって、動画を撮る。

たとえば、ゆずの音楽LIVEに行ったとき、SNSにアップしたくて、写真を撮る。(余談だけれど、一般的に日本はLIVEでの撮影禁止。でもゆずは、一眼レフや動画でなければすべてOKらしい)

なーんて思い返すと、スマホですぐ写真や動画を撮っては見返したりSNSに投稿したり、楽しんでいる。

でも、私たちがシャッターを切るとき、その瞬間にしか体験できないものを、心から楽しめているのか?

楽しめていないと思う。

私は、目の前の旅行や音楽LIVEをほんっとうに楽しみたいなら、スマホなんか放り投げて、写真を撮るのはやめてしまえ!と思う。


この間、あるアートショーに参加した。写真も動画も撮っていいよ、と言われていた。

2023年に一眼レフを買った私は、そりゃ撮影する気満々で会場に持ち込んだ。しかも、プロのカメラマンたちが来るので、教えてもらおうと思った。

パフォーマンスが始まり、パシャパシャ撮影をする。電気が消された車庫で行われたので、明るい光はない。一眼レフのことを知っている人ならわかるが、薄暗い室内で、動き続けるひとを撮るのは難しい。

そんな環境のなか、カメラマンたちを目の前で見ながら「その角度から撮るんだぁ。まねしよっ」と学んでいた。

Haruto Kataoka

最初は楽しかった。パフォーマンスする人間を、プロのカメラマンに囲まれて一緒に撮る機会は、滅多にないのだから。

でも、なんだか、途中で撮るのをやめたくなった。

ぜんっぜん、パフォーマンスに集中できないのだ。私が感じとりたいその場の空気や雰囲気を、ガン無視しているような気がしたのだ。

だから途中で、すべてを撮るのはやめた。「なんかいいな。残したいな。」と思った瞬間だけシャッターをきることにした。

目の前のパフォーマンスにもっと入り込んで楽しみたかったな、と今になって思う。


もしあなたが、旅行から帰ったあと充実感がなくてただ疲れているのならば、もしかしたらそれは、スマホを放り投げるべきだったのかもしれない。(これを書きながら自分で笑うくらいには、ちょっと言い過ぎだとは思うけれど(笑)。)

その場の景色や食べ物を、心から思いっきり楽しめていなかったのかもしれない。私が一眼レフでバシャバシャ撮るのをやめたくなったイベントのように。

だから、写真に撮ってSNSに投稿するのだけがすべてじゃないんだよ、と伝えたい。

そりゃ撮影してSNSに投稿することが楽しみな人もいるし、なんなら仕事にしている人だっている。あらゆる場面で写真を撮ることを、全否定はしない。

ただ私は、旅行に限らず、アートでもなんでも目の前のものから何かを得たい、ストーリーを感じとってその世界に引き込まれたいときは、もう一眼レフもスマホも、海にでも崖の下にでも放り投げたい。

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