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#20:地球システムを不可逆的に変える「正のフィードバック」の連鎖

東京大学理事でグローバル・コモンズ・センター ダイレクターを務める石井菜穂子さんが、
令和3年6月22日に財務総合政策研究所で講演された際の資料

「Global Commons Stewardshipで日本と世界を駆動する」
https://www.mof.go.jp/pri/research/seminar/fy2021/lm20210408.pdf

から気になったワードをご紹介しつつ、
僕自身の考えも書かせていただければと思います。
今回は、「不可逆的」「正のフィードバック」という言葉についてです。

上記資料の表紙をめくった5ページ目のサブタイトルが、

地球システムを不可逆的に変える「正のフィードバック」の連鎖

で始まります。

一見、??!?って感じのタイトルですね。。

まず、不可逆的って、
なんだかよくわからない言葉ですよね。
weblio辞書のデジタル大辞泉によると、

ふ‐かぎゃく不可逆
再びもとの状態にもどれないこと。

という意味でした。
生物や化学の研究で使われることの多い言葉のようですね。

次に、
正のフィードバック」という用語です。
すみません、これは完全に僕は聞いたことがないです汗

「ココが知りたい地球温暖化 - 温暖化の科学 Q15 温暖化は暴走する?」
地球環境研究センター温暖化リスク評価研究室長
(当時 気候変動リスク評価研究室長)江守 正多さんの記事の一部抜粋によると、

 一般に、何かの原因によって、ある変化が起こったときに、その変化をさらに強めるような作用が働くことを「正のフィードバック」といいます(注1)。たとえば、子どもに家庭教師をつけて勉強させたら(原因)成績が上がったとします(変化)。すると、勉強がおもしろくなって自分で勉強するようになり、さらに成績が上がるかもしれません(フィードバック)。この例のように、正のフィードバックのみが働く場合、「さらに成績が上がる→さらに勉強する→さらに成績が上がる→さらに…」というように、変化は際限なく強められていき、もはや原因(家庭教師)を取り除いても、変化はどこまでも続きます。
(注1)制御工学などにおける定義と厳密には異なる可能性があります が、本質的には同じです。
 実は、地球の温度が決まるメカニズムの中にも、正のフィードバックがいくつもあります。地球の温度が上がると、大気に含まれる水蒸気の量が増えます。水蒸気は温室効果ガスなので、さらに地球の温度が上がります。これは「水蒸気フィードバック」と呼ばれます。また、地球の温度が上がると、地表面の雪や氷が融けます。雪や氷は鏡のように太陽光をよく反射しますので、これが減ってしまうと地球がよりたくさん太陽光を吸収することになり、さらに地球の温度が上がります。

とのことでした。

つまり、
地球の浄化作用や循環作用などの地球を維持しているシステムが、元に戻らない状態になる恐れがありまっせ!
それは、正のフィードバックと呼ばれる、いったん温暖化が始まると、それを加速・増幅させる変化が次々に起きてしまう。
という、温暖化が温室効果ガスをさらに増やす負のスパイラル
のことを指しているようです。

例えば、
温暖化に伴い増加するメタンガスの例があります。
これはシベリアやカナダの凍土が溶けることにより、地中のメタンガスが大気中に放出されることが心配されています。
ちなみに、メタンはCO2より20倍以上も強力な温室効果があるそうです。

ただ、反対に、その変化を弱めるような作用が働くことを負のフィードバックというそうです。 例えば、地球には温度が上がるほど、たくさんの赤外線を宇宙に放出して冷えようとする「負のフィードバック」なども働いているそうなので、一概に暴走するとは言い切れないとも言われています。

このように見ると、
地球は正、負のフィードバックの複雑な相互作用により、
これまで地球人類を住みやすい環境に維持し、調整し続けてきてくれたようにも感じますね

たくさんの水をたたえ、より多くの命を生かし育もうとする性質が母なる地球にはあるように感じます。
しかし、現実には気温は上昇傾向にあり、様々な気候変動や天変地異の兆候も現れ始めているのではないでしょうか。

人類の文明の発展や、科学者、研究者の方々の尽力により、
これまでわからなかったことも科学的に解明されてきました。
それによって、わたしたち人類がこれから何をなすべきか、
この美しい地球を守り、自分たちの未来も持続可能にしていくためにどうしたらいいのか?
という方向も示されつつあります。

しかし、それは地球のすべてを理解したと言うには、
まだ早く、逆にこの地球の偉大さの一端を知っただけなのかもしれません。
実際に現在の科学ではまだわからないこともたくさんあります。
これからも色々な変化が起き、次第にたくさんのことも明らかになってくるのでしょう。
でも、どんなに時代が移り変わっても、
わたしたちがこの地球に生かされている存在であることは変わりません。

いつも変わらない普遍的で大切なことは実はシンプルなのだと思います。
それは「地球環境に感謝する」ということではないでしょうか。

感謝というのは、
地球に対する地球人類誰もに共通する、
キーワード
なんだと思います。

そのような想いを胸に、
地球人類同士もそうですし、
この地球環境と調和して、
これからもより進化・発展していきたいですね。

Gratitude is a keyword that is common to all humankind on earth for the earth.


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note
https://note.com/beyondscience/n/n62595ce4e4ec


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