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【ロッテ球団73年考察/(34)-投手-「暴投」73シーズン歴代ベスト10】

(写真)暴投の通算記録NPB歴代1位の村田兆治

(34)(投手編)「暴投」73シーズン歴代ベスト10

 今回は暴投(ワイルドピッチ)について考察する。

 暴投と言えば村田の名前が直ぐに挙がると思う。記録上も通算記録はNPB100傑1位にランキングされている。それだけ、武器であるフォークボールのキレの良さの裏返しであり、高橋博、土肥、袴田といった捕手はノーサインでフォークを受けることもあり、それが暴投の記録につながっていたところもある。
 ただ、球団の歴史を振り返ると、チームとしては全体的に突出して多かったわけではない。

【チーム暴投数 10年ごとの最多シーズン 一覧】

(リーグ順位は暴投が少ない順位)
★創設年 1950(昭和25)年…5暴投(暴投2位、順位1位(120試合))
★1951~1960(S35)最多年…1955(昭和30)年 26暴投(暴投8位、順位3位(143試合))
★1961~1970(S45)最多年…1962(昭和37)年 18暴投(暴投6位、順位4位(132試合))
★1971~1980(S55)最多年…1974(昭和49)年 27暴投(暴投6位、順位1位(130試合))
★1981~1990(H2)最多年…1990(平成2)年 68暴投(暴投6位、順位5位(130試合))※NPB、球団最多記録
★1991~2000(H12)最多年…1991(平成7)年 58暴投(暴投6位、順位6位(130試合))
★2000~2010(H22)最多年…2010(平成22)年 47暴投(暴投3位、順位3位(144試合))
★2011~2021(R3)最多年…2015(平成27)年 49暴投(暴投6位、順位3位(143試合))
★直近年 2023(令和4)年…47暴投(暴投6位、順位5位(130試合))

 創設年は5暴投だった。ただ、これはこのシーズンのリーグ2位の記録。1位は東急(現日本ハム)の4暴投だった。以降、変化球の多種化等により徐々に増えていくが、しばらくは20暴投前後の記録シーズンが続いた。
 村田がフォークボールを自分のものにしてから、自身の暴投数は積み重ねていったが、チームのシーズン暴投数、捕逸数は突出したものではなかった。それだけ、捕手陣の捕球技術が高かったと言えるだろう。
 ところが1987(昭和62)年から倍増していく。このシーズン48暴投を記録すると44暴投、52暴投と記録し、1990(平成2)年には現在のシーズン暴投数日本記録となる68暴投を記録。翌91(H3)年には58暴投を記録する。これは落ちる変化球が多様化した事やチーム事情からまだコントロールが定まっていない若手投手を起用したことにもよるが、長年捕手を務めてきた袴田の試合数が減少し、後任の捕手を育てきれなかったことが大きな要因だった。特に68暴投を記録した1990(平成2)年の優勝した西武の暴投数は27暴投で大きな差が出た。
 マリーンズとなってからは概ね30~40台の暴投数で推移している。

 それでは個人記録の考察を。

【シーズン暴投 ベスト10】

◆1位…村田 兆治 17暴投(パ1位)1990(平成2)年 ※NPB100傑3位タイ
◆2位…村田 兆治 13暴投(パ1位)1976(昭和51)年 ※NPB100傑13位タイ
◆〃 …荘  勝雄 13暴投(パ1位)1986(昭和61)年 ※NPB100傑13位タイ
◆〃 …伊良部秀輝 13暴投(パ2位)1994(平成6)年 ※NPB100傑13位タイ
◆〃 …黒木 知宏 13暴投(パ1位)1997(平成9)年 ※NPB100傑13位タイ
◆〃 …清水 直行 13暴投(パ1位)2000(平成12)年 ※NPB100傑13位タイ

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