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【ロッテ球団73年考察/(38)-投手-「与四死球」73シーズン歴代ベスト10】

(写真 左・シーズン与四球ベスト10に5シーズンランクインした小野正一、右・シーズン与死球ベスト10に3シーズンランクインした仁科時成)

(38)(投手編)「与四死球」73シーズン歴代ベスト10

 投手記録の最後は「与四死球」の73シーズン歴代ベスト10を考察する。
 登板数が多く、繊細なコントロールを武器にした投手は四球が多くなる。また、インコースへのシュートを武器にする投手は死球が多くなる。つまり「与四死球」数は、ただ単にコントロールが悪いという事ではなく、投手の特徴によるところが多く、実績の一つになることを前提として述べておきたい。
 まずは、チームの与四死球の歴史から。

【歴代シーズンチーム与四死球 ベスト10】

※年度の横-1-はシーズン最終順位
★1位…634与四死球(578四 56死) 1983(昭和58)年-6- (深沢(111),水谷(84),仁科(54))
★2位…625与四死球(583四 42死) 1989(平成元)年-6- (荘(118),牛島(75),村田(74))
★3位…578与四死球(540四 38死) 2000(平成12)年-5- (小野(75),ロバーツ(70),清水直(68))
★4位…574与四死球(505四 69死) 1982(昭和57)年-5- (水谷(98),三宅(97),深沢(93))
★5位…569与四死球(534四 35死) 1991(平成3)年-6- (小宮山(85),前田(77),伊良部(71))
★6位…559与四死球(522四 37死) 1988(昭和63)年-6- (小川(96),荘(87),園川(64))
★7位…552与四死球(491四 61死) 1981(昭和56)年-3- (水谷(92),深沢(72),仁科(65))
★8位…540与四死球(498四 42死) 1990(平成2)年-5- (伊良部(79),小宮山(67),村田(62))
★9位…539与四死球(511四 28死) 1994(平成6)年-5- (伊良部(100),前田(58),園川(49))
★10位…535与四死球(485四 50死) 2019(令和元)年-4- (ボルシンガー(57),種市(53),岩下(49))
★最多与死球シーズン…583与四球 1989(平成元)年
★最多与四球シーズン… 79与死球 1978(昭和53)年

 チームの与四死球ランキングを考察すると、圧倒的にチーム順位が下位のシーズンが並ぶ。特に、川崎球場時代終盤の千葉移転までの1980~90年代が多い。投手力が脆弱だと言われていたが、それを裏付けるランキングとなった。
 例外は7位にランクされた1981(昭和56)年。前期優勝を遂げプレーオフに敗れて3位に終わったシーズンだが唯一Aクラス入りシーズンのランクインとなった。逆に新ミサイル打線の破壊力を証明するランクとなった。

 続いて個人記録。個人記録は与四球、与死球でランキングを掲載。

【歴代シーズン与四球 ベスト10】

◆1位…小野 正一 123与四球(パ1位)1963(昭和38)年 ※NPB100傑79位タイ
◆2位…小野 正一 118与四球(パ1位)1959(昭和34)年<投球回球団9位> ※NPB100傑91位タイ
◆3位…奥江 英幸 102与四球(パ1位)1980(昭和55)年
◆4位…小野 正一 101与四球(パ1位)1960(昭和35)年<投球回球団5位>
◆5位…深沢 恵雄 99与四球(パ1位)1983(昭和58)年
◆6位…小野 正一 97与四球(パ1位)1961(昭和36)年
◆7位…深沢 恵雄 95与四球(パ3位)1984(昭和59)年
◆8位…水谷 則博 92与四球(パ2位)1980(昭和55)年
◆9位…小野 正一 90与四球(パ5位)1957(昭和32)年
◆10位…水谷 則博 89与四球(パ1位)1982(昭和57)年
◆〃 …成田 文男 89与四球(パ3位)1973(昭和48)年
※NPB最多…280与四球 亀田忠(イーグルス) 1939(昭和14)年
※現役最多…小島和哉 51与四球 2021(令和3)年

 ベスト10ランキングでは大毎時代の絶対的エース・小野の名前が目につく。何と5シーズンもランクインする。トップは1963(昭和38)年の123与四球、2位は1959(昭和34)年の118与四球、3位にはリーグ優勝を果たし、自身も球団最高記録となる33勝をマークした1960(昭和35)年の101与四球がトップ3に並ぶ。以下、5位に1961(昭和36)年の97与四球、8位に1957(昭和32)年の90与四球が続く。ただ、この小野は登板、投球回とも多かったこともランクインに影響している。参考までに、投球回のランキングも掲出した。
 4位と6位には深沢、7位、と9位には水谷と川崎球場時代のローテーション投手の2人がランクイン。80(S55)年、82(S57)年は水谷、83(S58)、84(S59)は深沢と球団最多与四球がランクに入っている。
 22回で紹介した投球回ランキングで上位に入ったのは小山と成田だが、与四球のベスト10に入ったのは1973(昭和48)年に273.2回を投げた成田だけ。シーズン投球回のトップ2の小山は300回を超えたシーズンもありながら、与四球シーズンベスト10には入らなかった。「精密機械」と言われたコントロールの良さを裏づける結果となった。

【歴代通算与四球 ベスト10】

◆1位…村田 兆治 1144与四球 ※NPB100傑8位タイ
   <在籍通算23年 1968(S43)~1990(H2)>
◆2位…小野 正一 798与四球 (通算/1116与四球 ※NPB100傑11位)
   <在籍9年 1956(S31)~1964(S39)/通算15年2球団>
◆3位…水谷 則博 771与四球 (通算/774与四球 ※NPB100傑23位)
   <在籍15年 1973(S48)~1988(S63)/通算19年2球団>
◆4位…成田 文男 697与四球 (通算/725与四球 ※NPB100傑23位)
   <在籍14年 1965(S40)~1978(S53))/通算17年2球団>
◆5位…荘  勝男 535与四球
   <在籍通算11年(1985(S60)~1995(H7)>

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