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【ロッテ球団73年考察/(39)-打者-「失策」73シーズン歴代ベスト10】

(写真 球団創設1年目シーズン59失策の球団記録を持つ河内卓司内野手)

(39)(打者編)「失策」73シーズン歴代ベスト10

 いよいよ43シーズンの考察も最後になる。最後は失策「エラー」について歴史を考察する。

 失策のシーズン記録をランキングすると、球団創成期の記録がズラリと並ぶ。これは、創成期はグランド状態が悪く、また、本拠地を持たずに地方球場での開催が多かったことに起因する。
 1980年代から徐々に人工芝球場が増え、失策数は総体的に激減。マリーンズも人工芝の千葉マリンに移転後は減少している。

【チーム失策数 10年ごとの最多シーズン 一覧】

★創設年…1950(昭和25)年(120試合)-1- 198失策-5-
★1951~1960(S35)最多年…1956(昭和31)年(154試合)-4- 213失策-8- ※球団最多記録
★1961~1970(S45)最多年…1961(昭和36)年(140試合)-4- 158失策-4-
★1971~1980(S55)最多年…1975(昭和50)年(130試合)-4- 122失策-3-
★1981~1990(H2)最多年…1990(平成2)年(130試合)-5- 108失策-1-
★1991~2000(H12)最多年…2000(平成12)年(135試合)-5- 99失策-1-
★2001~2010(H22)最多年…2001(平成13)年(140試合)-5- 95失策-1-
★2011~2021(R3)最多年…2017(平成28)年(143試合)-6- 89失策-1-
★直近年…2023(令和4)年(143試合)-5- 70失策-4-

【チームシーズン失策数 ベスト10】

★1位…213失策-8- 1956(昭和31)年(154試合)-4-(葛城(51),小森(30),須藤(26))※2リーグ制後NPB最多
★2位…198失策-5- 1950(昭和25)年(120試合)-1-(河内(59),本堂(31),土井垣(13))
★3位…192失策-7- 1955(昭和30)年(142試合)-3-(島田(28),小森(26),有町,岡田(23))
★4位…186失策-7- 1954(昭和29)年(140試合)-3-(小森(41),北村(36),島田(19))
★5位…185失策-7- 1951(昭和26)年(110試合)-3-(河内(36),本堂(26),今久留主(24))
★6位…182失策-7- 1957(昭和32)年(132試合)-3-(葛城(38),須藤(28),中野(24))
★7位…158失策-6- 1952(昭和27)年(120試合)-2-(長谷川(33),本堂(23),河内(23))
★〃 …158失策-4- 1961(昭和36)年(140試合)-4-(柳田(33),葛城(29),八田(16))
★9位…155失策-5- 1958(昭和33)年(130試合)-4-(葛城(42),須藤(17),佐々木,坂本(12))
★10位…150失策-4- 1959(昭和34)年(136試合)-2-(葛城(32),八田(30),榎本(10))
※シーズン最少…51失策-6- 2005(平成17)年(136試合)-1-(今江(9),福浦(7),フランコ,西岡(5))
※NPB最多…253失策 南海 1940(昭和15)年

 チームのシーズン失策総数の歴史を振り返ると、球団スタートの1950(昭和25)年は198失策。リーグ5位(下から3番目)だった。1956(昭和31)年には、初めて200個を超える213失策を記録したが、球団史上200個を超えたのはこの年だけ。失策リーグ順位も最下位の8位だったが、リーグ全体に突出して多い年だった。球団創成期、打のイメージの強いチームだったが、守備力は決して盤石ではなかったことが浮き彫りになる。
 内野が天然芝の東京球場を本拠地としてからはチーム方針も「守り勝つ」をスローガンにしていたが、守備力は安定する。東京球場最終年の1972(昭和47)年に初めて100失策を切り90失策(リーグ2位)、翌1973(昭和48)年には90失策を切って87失策を記録する。
 その後、内野が土の川崎球場を本拠地にするが100失策前後の記録で推移する。千葉への移転前年の1990(平成2)年に107失策を記録するが、これが最後の3ケタ失策となる。翌91(H3)年、球団史上最少となる77失策を記録する。これは、このシーズンから川崎球場が人工芝化されたことに起因する。ただし、リーグ順位は6位だった。他球場も人工芝球場が増え、全体的に失策数が激減していった。
 千葉移転年の1992(平成4)年は73個と記録を更新。以降、100失策を超えることは無くなった。2004(平成16)年には60失策で球団史上初めてリーグ1位となる。翌2005(平成17)年には現在でも球団記録となる51失策を記録した。
 昨2022(令和4)年は70失策でリーグ3位だった。

 それでは、個人の失策記録を考察する。

【シーズン失策 ベスト10】

※( )内はそのシーズンで守った守備位置と試合数
◆1位…河内 卓司 59失策(三塁(88)遊撃(54))【パ1位】1950(昭和25)年 ※NPB100傑8位
◆2位…葛城 隆雄 51失策(遊撃(135)三塁(6))【パ1位】1956(昭和31)年 ※NPB100傑21位
◆3位…葛城 隆雄 42失策(遊撃(97)三塁(37))【パ1位】1958(昭和33)年 ※NPB100傑60位
◆4位…小森 光生 41失策(三塁(119)遊撃(2))(パ3位)1954(昭和29)年 ※NPB100傑60位
◆5位…葛城 隆雄 38失策(三塁(126)遊撃(5))【パ1位】1957(昭和32)年

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