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ドイツ・スイスから知る絶望と希望⑤

このnoteはこんなあなたにオススメ。
1:これから住宅・建築の新築やリノベーションを予定している。
2:欧州のエネルギー政策について知りたい。
3:欧州の建築や都市計画について知りたい。


ヴォーバン地区

フライブルクの中にはヴォーバン地区というエリアがある。このまちには車がほとんど走っていない。正確に言うと住宅街に駐車スペースがない。
街の入口となる場所に大型の立体駐車場があり、住民はそこに車を停めて、基本的には徒歩や自転車でエリア内を移動する。車の危険性がないので住宅(こちらで言う住宅はほぼ集合住宅)の前の道は、日本で言うと「道路」というよりも「広場」に近いかもしれない。

奥の方に車が…と思ったらバイクだった。

〇〇だからドイツの住宅は資産価値が下がらない

ヴォーバン地区の成り立ちも非常に興味深かったが、ながーくなるので割愛。興味のある人はぜひ調べてみてほしい。また、日本でもこのヴォーバンという地区を模倣して持続可能なまちづくりを目指す「一般社団法人クラブヴォーバン」があり、その取り組みに学ぶところは多いので、知らない人は一度その活動を覗いてみてほしい。


さて、ここではドイツと日本の住宅等政策の根本的な違いについて触れたいと思う。
ドイツでは基本的に常に住宅難の状態が続いているが、これは決して悪い事ではない。常に「住む場所の需要が高い状態」を作れているので、日本でいう「空き家問題」が存在しない。そして住宅が余っていないが故にその資産価値が下落しにくい。
ドイツでは都市計画を作る段階で、住宅をどのように展開していくか、どのくらいのボリュームで建てるか、ファサードのラインをどこに揃えるか、などが決まっていて、その多くのルールの中で建築家が創意工夫を凝らしている。そのくらい建築という行為がシビアな世界になっている。

このファサードのラインまでも都市計画で決まっている


需要と供給のバランスが成立していて、確実に黒字になる状態で初めて建築がスタートする。日本のように「とりあえず分譲しました!」なんてあり得ないのだ。

「日本の建築家に有名な人が多いのは、日本以外ではあそこまで自由に建築を計画する事が許されていないからだよ」という言葉には納得してしまった。

「日本でもこの状態を目指さない限り、空き家問題なんて解決するわけがないよ」と言われている気分だ。

このエネルギーセンターもすごかったのでまたどこかで。
今回は割愛。

スイスへ行こう

この翌日からスイスへ向かう。スイスで省エネルギー建築やプラスエネルギー建築はもちろん、サーキュラー建築まで幅広く学ぶ機会を得ることができた。
続く。

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