実務者のための一級建築士 完全独学合格マニュアル#1 「学科-概要-」


大学院卒業後、アトリエ勤務三年目で挑んだ一級建築士試験に、独学で学科製図共にストレート合格しました。金をかけたくないならこれを読んでくれよな。(学科101点)

「学科試験」

●大前提
社会人として2〜3年経ち、少なくとも1件の担当経験を積みたい。出来れば一通りの実務経験(設計〜確認申請、監理)があること。在学中、卒業後すぐは理解も遅いし受かったとして記憶に残らない。
例えば、構造では構造特記仕様書なんかをしっかり確認したことがあれば、結構知っている知識が出る。

●準備
◾︎絶対いるもの、つかうもの
・「一級建築士」受験対策 (アプリ 1500円くらい)
・過去問ドットコム (無料)
・法規のウラ指導 (書店購入)
・総合資格のトレイントレーニング(貰うか、誰かから買うか)
・解き方を覚えて弱点克服!一級建築士合格 構造力学 (書店購入)

◾︎あれば良いもの
・何かしらの問題集(単元毎に整理されているもの、問題の多いもの。沢山買わない。ほぼアプリで足りるが腰を据えて勉強するとき用にあっても良い)
・建築二次部材の構造計算 (書店購入。実務に構造計算を活かせるようになる)

◾︎いらないもの
・テキスト
・先生

●良いYouTube
・建築士みつき さん
・まゆまゆ さん

●勉強開始
私は11月からでした

●やる順番
施工→構造→設備→計画→法規
施工、法規は絶対ココ。あとは苦手順に。
法令集線引きは試験の二ヶ月前までに終わらせる。年内?必要なし。
法規は実は暗記ゲー且つ、暗記内容がとても少ないので最後で良い。早いうちからいちいち法令集めくって解いてたら時間もったいない。それなら実務でなるべく法規に触れること。
立法趣旨を理解しておけば、大体の法規は理解できる。信じろ。

●考え方
・苦手なものから機械的にやること。特に施工は知らないことが多いので最初にやって目にする回数を増やす。
毎日1時間程度は必ずやる。やる気が下ブレしても1時間は確保。まずはアプリの解説を読み、問題を解くことを繰り返す。知らない工法、単語は理解できるまで調べる。トイレ風呂入りながらでも1時間は確保。
文字列で覚えない。全てイメージを持って理解する。
・運転中や料理中はYouTubeの一問一答動画を聞きく。忙しくてもちゃんと毎日少しでも問題に触れている時間があれば焦らなくて済む。
人の進度を気にしないこと。独学だとこれが最大のメリット。自分の立てた計画通りにひたすら進める。
・構造計算を覚えること。そして実務でも使ってみよう。手すりの接合部(アンカーの引き抜き、せん断など)の設計や看板の風圧を考慮した基礎寸法など、意外と実務で使えるものである。使うことで理解を深めよう。そういった雑多な検討で構造計算ができると、構造設計を煩わせずに済むし、構造の勘所が身につく。

●具体的な進め方
どの科目を何月までに終わらせるのか、その後の過去問をとくスケジュールも考慮して決めておく。日々の勉強はそこから逆算すること。必ず遅れるのでかなり余裕を持たせて決めること。


予定
11月〜1月 施工 構造
1月〜3月 計画 設備
4月〜GW 法規
GW以降〜 ひたすら過去問と苦手の潰し

実際はここからかなり遅れて法規に取り掛かったのが6月でした(線引きはGWにやった)

私は5月に法規を勉強してない状態で総合資格のオープン模試を受けて91点とかでした。
法規は1ヶ月で9割取れるようになるので後回しにしてもほかを固めるのが大事。

おすすめは月単位で科目を極めること。
次の科目に入ってもちょくちょくアプリで問題に触れておく事。
苦手科目からやれば、それだけ長く問題に触れられる。
だいたい1周目は何となく刷り込むことを意識する。本当に定着するのはGW以降の過去問だと思えば気が楽。

焦りが良くない。1周で覚えきるな。ゆっくりで良い。でも試験日までには全部覚えろよ。

●科目毎の学び方
計画、設備は割合が低いので勉強しすぎない。私はこの二科目、余った時間で悩んで変えた選択肢がことごとく外れ、13点とかの絶望的な点数でしたが100点超えました。

◾︎施工
・アプリの「参考資料」を読む→その工法などを検索、動画などを見る→問題を解く→分からなかったらまた調べる
のひたすらの繰り返し。
アプリではカバーできない範囲があった。試験一週間前からトレイントレーニングで全てを潰した。是非施工を得点源にしたい。覚え始めると楽しい。

◾︎構造
・構造力学から始める。計算は何度もやる。公式はちゃんと暗記する。日常的に使う。特に梁の設計なんかはたわみの計算の使い所。(とはいえ実際は応力で決まることも多いので「たわみは検討したんですが、、」と構造設計者と話すと実務がスムーズに進む。)
力学は近道も遠回りもない。
・暗記部分は建築が好きなら面白くて仕方ないはず。心配しなくても覚える。余裕。常に実務とリンクさせること。

◾︎設備
・施工とおなじフローで進める。ただもっと日常にありふれている。色んな施設で設備を観察する。psの位置を見る。室外機を見る。建物の設備フローを理解するまで観察する。
・計算問題は覚えると得点源になる。何度も繰り返しておく。

◾︎計画
・意外と舐めてると取れないので注意するが、1番時間はかけたくない(まあ取れなくても足切りさえかからなければ良い教科)
・暗記物は単語帳が良い
・契約関係、積算などは実務でやっていればイージーになる。つまりは受験のタイミング選びも大事。

◾︎法規
・カモ。みんな暗記しようとしないが、トレイントレーニングの薄さを見て見なさい。覚えた方が早いし楽。
・半月は引きながら解く。もう半月は暗記に集中する。あとは得意科目になっている
過去問7年分法令集を引かなくても解けるようにすること。立法趣旨を理解すれば、初見の問題も割と解ける。法令集は法規のウラ指導(書店で売ってる)を参考に。ただし指示は無駄な線引きも多いので、線を引かなくていいところは引かないようにする。

●過去問の解き方
・アプリ、過去問ドットコムの問題は、何度やっても解けない問題が無くなるまでやること。意外と一日2〜3時間毎日続けてるとそれくらいになる。それさえ出来れば順番や進め方はなんでも良い。記憶力が悪い人は正直どうしようもない。数こなせ。才能は申し訳ないが重要です。

●大事なこと
学校に通うのはもちろん重要な選択肢。特にスケジュールを考えたり、定量的に時間が確保できない場合は良いとは思う。しかし、学校に管理されなければ勉強すら出来ないと言うのは問題である。
人の多額のお金、ほとんどの場合は借金を使わせていただいて設計をしている責任の重さを理解して欲しい。日々の積み重ねの勉強すらもできないのなら、建築士にはなるべきでは無い。なぜなら、あなたは一級建築士になった後も学び続けなければならないのだから。それを放棄するなら、建築士の職能を全うできない。
良いものを作り、世の中を良くしていくため、モチベーションと学び続ける力があれば、学科で学校は間違いなく不要です。

●重要なマインド
少なくとも一級建築士試験に挑む時点であなたは、相当すごいはずです。自分は天才だと言い聞かせ思い込むようにしてください。「天才なんだからこんなの簡単。天才なのだからすぐ覚えられる。」と思えば、取り組むハードルは低くなります。また、「天才なのに解けないのはおかしい。天才なのに時間がかかりすぎる」と思えば、悔しさとプライドからやる気が湧いてきます。
天才なので、サクッと1年で合格しちゃいましょうよ。かっこいいでしょ、その方が。

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