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アニメ『グリム組曲』感想

本日は、アニメ『グリム組曲』の各話感想を書いて行きたいと思います。
『グリム組曲』は、ネットフリックスのオリジナルアニメで、マンガ家集団のCLAMPが制作に関わっています。

タイトルからもわかるとおり、グリム童話から着想を得て作られた6本の物語で構成されています。
先日、第4話『小人の靴屋』についての感想というか、考察をアップしています。

ので、今回はそれ以外の回についての感想となります。

第1話『シンデレラ』

第1話は『シンデレラ』がモチーフです。
明治か大正っぽい雰囲気の日本を舞台に、子連れで貴族の後妻になった女性と、その家の本来の娘・清子の物語です。
第1話ということもあってか、このアニメの中では一番わかりやすい内容だったかなと思います。
継母とその連れ子たちに虐げられることになるはずのシンデレラが、実は「そう見えるように」仕組んでいた、というお話です。
ヒトコワ系の話や、CLAMPの『東京バビロン』や『ホリック』なんかが好きな人には、ツカミとしては充分だったのではないかと思います。

第2話『赤ずきん』

第2話は『赤ずきん』がモチーフです。
なんでもバーチャルで済んでしまう未来世界を舞台に、刺激に飢えた金持ちの男が女性を殺害することで快楽を得ようとするお話。
一見すると、狼視点の話のように見えるけれども、実は……といった感じになってます。
この2話目まで見ると、グリム童話の話を立場や見え方をひっくり返した話が中心なのかな? とも思えます。

第3話『ヘンゼルとグレーテル』

これは私的には、けっこう面白かったです。
一見すると孤児院のようなところでくらしているヘンゼルとグレーテル。彼らがいる場所は、『約束のネバーランド』の主人公たちがいる施設を思わせます。また、世話係の「ママ」も『約束~』を思わせて、たぶんこのあたりは、わざとかな……という気もしました。
そして、この「ママ」と「パパ」のしゃべり方がすごく機械的だったり、規則を守れなかったりするような子が知らない間に消えたりと、『約束~』を思わせて、これは絶対何かあるよな、と見ているうちに、強く感じるようになります。
そんな中、ヘンゼルとグレーテルは、罰として施設から続く森で一晩過ごすように言われます。
森の中には小さな小屋があり、そこには女性が一人住んでいました。そしてこの女性が、二人にいろいろ思わせぶりなことを言ったり、アイテムをくれたりします。
最後のタネあかしというか、オチは「こう来たか」という感じです。
昔懐かしいSF的展開だと私は思いますが、『約束~』よりは希望があるかなとも思います。
あと、ママやパパの正体はわりと想像がつきましたが、グレーテルについては、ちょっとびっくりしましたね。
後味も悪くなく、すっきり楽しめる回だと思いました。

第5話『ブレーメンの音楽隊』

第5話は、あまり難しいことを考えずに、ただ楽しめる作品だと思います。
悪い奴が倒されて、すっきりして終わり! みたいなお話が好きな方には、オススメかもしれません。
全体の雰囲気は西部劇っぽいので、そういうのが好きな人も楽しめると思います。
あと、主人公たちが全員女というのも、爽快感があるかと思います。

第6話『ハーメルンの笛吹き』

第6話は、自己の解放とか自由な心の発露とか、そういうことがテーマなのかなと思いました。
劇場用アニメでもドラマでもなく、テレビサイズでこの内容ってちょっとすごいって気がしました。
絵の感じも、この回だけ少し違っています。
物語は、規則と習慣に縛られた小さな村に住む、周囲からは浮いた感じの少女がそこから解放されるまでのお話――といっていいと思います。
外からやって来た笛吹きに少女が出会うシーンは、なんだかジブリの劇場用アニメを彷彿とさせました。
この回を見ていて思ったのは、たしかに外は危険が一杯だけれども、それでも人間は小さな場所で、外への恐怖や思い込みだけでがんじがらめになって生きて行くよりは、外に出る方が良いのだ、ということでした。

……と書きながら、私はもうババアの年齢だし、外に出たくなくて引きこもってる人間だけど、それでもまだ、そう思えるのだな、とちょっと感慨深い気持ちになりました。
第4話もそうですが、これもまた、見る人によって感想が大きく異なって来そうな作品だなと、今改めて思ったことです。

以上、ざっくりとですが、感想でした。
ネットフリックスは有料なので、なかなか人に勧められたからといって、簡単に登録しようという気にはならないかもしれません。
私自身、今回たまたま家族が加入したおかげ……とあと、YouTubeでチャンネル登録している方が面白いと紹介して下さっていたのを見たおかげで、この『グリム組曲』を見られました。
他にも、予告で知って見たいと思っていた韓国のSFドラマとかも見ましたが、ネットフリックスでは、日本の普通のチャンネルでは自粛してしまって描かれないような物語が見られるのだな……というのが、私の雑感です。

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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