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マガジン「商品貨幣論」

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緊縮理論に行き着いてしまう商品貨幣論について解説してゆきます。
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記事一覧

商品貨幣論18  ―徴税も商品貨幣論である―

マクロ経済(信用貨幣論)がミクロ経済(商品貨幣論)の世界を支配しており、その構造は不可逆…

商品貨幣論17  ―商品貨幣論はマクロ経済学ではない―

それではざっとこれまで述べてきた、「商品貨幣論」に基づいた経済学的なキーワードないし、人…

商品貨幣論16  ―貨幣ヴェール説から生まれた貨幣プール論―

さて、商品貨幣論についてまとめようと思っていましたが、一つ忘れていたことがありました。 …

商品貨幣論15  ―”有効需要の原理”には「信用創造」が重要―

富(価値)の移動が A供給側→B需要側 だと、BはAに逆らえなくなる。 B需要側がA供給側に成り…

商品貨幣論14  ―古典派とマルクスの共通項「商品貨幣論とミクロ経済学」―

前回の箇条書きをまた示しておきます。 A「王侯貴族」が富(価値)を施行してもB「貧困層」に…

商品貨幣論13  ―マルクスが見逃した人間の悪癖―

1.「王侯貴族」が「民」に施行しても、富は行き渡りませんでした。 これをなんとかしよう、と…

商品貨幣論12  ―マルクスの啓蒙理想思想―

前回述べたように、このイギリスに端を発した産業革命の強烈な貧富の格差はマルクスにこれまでにない経済学の境地を見出させました。 私は「レッセフェール」という用語をこれまで用いてきましたが、実はこれには他にもいくつかの呼び名があります。 イギリス人、アダム・スミスによって述べられた「(神の)見えざる手」。 フランス人、ジャン=バディスト・セイにより論じられた「セイの法則」。 共に「富の不均衡の是正のためには、市場に介入すべきではない」とするフランソワ・ケネーに端を発する「レッ

商品貨幣論11  ―マルクスが見た格差社会―

さて、前回マルクスが現代の主流派経済学の根幹を受け継いでいる、と言われると驚いた人もかも…

商品貨幣論10  ―マルクスに受け継がれるレッセフェール―

17世紀 重商主義政策 18世紀 啓蒙思想と重農主義政策     →フランス革命という「歴史的…

商品貨幣論9  ―フランス革命後に重農主義から生まれた2つの潮流―

経済学が 世を治め民を済(救)うという学問であるならば、 どういう方法・形であれ「貧困者に…

商品貨幣論8  ―重農主義に潜む資本家の萌芽―

フランソワ・ケネー、という当代随一の知識人から、生まれたこの重農主義、そしてそこからさら…

商品貨幣論7  ―重農主義という理想―

重商主義はぶっちゃけ、 第一身分の聖職者と第二身分の王侯貴族という特権階級のみが 「金貨・…

商品貨幣論6  ―重商主義と現代日本 ルサンチマン―

コルベールの重商主義は ①産業保護振興政策 ②デフレ推進 ③関税による保護貿易 これにより国…

商品貨幣論5  ―フランスの経済学2・重商主義とケネー―

重商主義は ①高付加価値生産産業の保護育成 ②穀物の低価格政策による富裕層の消費優遇措置 ③関税による保護貿易 主にこの3点が柱となります。 政策実行者の名前を取り「コルベール主義(コルベルティスム)」とも呼ばれます。 ①は利益率・付加価値の高い産業を国営で保護育成することです。 王立マニュファクチュアと呼ばれるこの手法は、「ゴブラン織工房」や「ボーヴェ織工房」という高付加価値のタペストリーを作る工房を国立で設営し、高付加価値商品の製造と販売を独占しました。 陶磁器は「セー