昔の友人には会いたくなるもの?
あと1か月で成人式ですね。今年はコロナであったり、なかったりなのかな…なんて考えながらこの記事を作っています。
みなさんは”昔の友人と会う”ことについてどう思いますか?成人式であったり、同窓会であったり、多くの人が地元に帰る年末年始のこの時期には普段よりたくさんの”昔の友人と会う”機会が設けられているのではないでしょうか。このような時期になると参加すべきかどうかをわたしのような者は度々考えさせられてしまいます。
ここから先は、偏屈な大学生が偏見まみれで書いた文章であるという前提を受け入れて下さる器の大きい方だけお読みください。
結論から言うと、わたしは”昔の友人”と称される人と会うことがあまり好きではない。成人式もそうだったし、同窓会、長期休みに有志の幹事が執り行うプチ同窓会…すべてそうだった。苦手意識があった。
このように書くと いじめられていたから?、会いたくない人がいるから?、学校が楽しくなかったから?… なんて想像を働かせてしまうかもしれない。答えは全てNO。幸せなことに、周りの人に恵まれていたおかげでこんな偏屈人間でありながらもいじめのようなものとは無縁の生活だったし、会ったら気まずい人は思い当たらないし、学校生活はどれもとても楽しいものだった。
では、なぜ”昔の友人と会う会”に行きたくないのか。
わたし自身、はじめは理解ができなかった。しかし、漠然ながら”昔の友人に会いたくない”という想いは根付いていて人生最大の同窓会イベントである成人式の際には「成人式 行きたくない」「同窓会 いきたくない」なんて検索をかけて同じような人がいないか必死に探したことを覚えている。
そんな中、ある本に出会った。ハライチの岩井勇気さんの『僕の人生には事件が起きない』。(気になる方は是非、読んでみてください。)これを読んだときに自分の気持ちをやっと言語化してもらったような気がした。
わたしが感銘を受けたのは『仕方なく会った昔の同級生にイラつかされる』という題がつけられた箇所である。”仕方なく”の部分に強く惹かれたのだ。わたしが同窓会イベントに参加してもそれは正しく”仕方なく”であり、シンパシーを覚えたのだ。
それには彼が同窓会に苦手意識を持つ理由が書かれていた。
彼が同窓会を苦手とする理由は2つ。
1つ目は同窓会で出る話題が毎回同じこと。毎度、同じような昔話で盛り上がることにつまらなさを感じると言った内容が書かれていた。
2つ目は主催者。詳しく書くと”人生がうまくいっていて(人生がうまくいっていない人が同窓会を主催することはない。)自分について聞かれたい人”が主催するからその思惑のもと行われる会に参加するのが癪ということらしい。
これだ!と思った。共通点が同じ学校・クラスだっただけの人達が集まって話せる共通した話題なんて昔話しかない。何度も笑えるもんじゃない。また、主催者の件に関しては目から鱗だった。確かに人生がうまくいっていない人が自発的に同窓会を主催することなんて日本中探してもどこにもなさそうだ。基本はどこかに自信があってきているのだろう。
特に、2つ目に関しては自身の同窓会イベントでの居心地の悪さの核心をつくものだった。ここでわずかながらのプライドを盾に強調して言っておきたいのが、わたしも、もちろん彼も、人生がうまくいっておらず、惨めな気持ちになるから苦手なわけではない。わたしの感情に引き寄せて話を進めるとすれば、”測られている感”が嫌なのだと思った。
久しぶりに会った相手と避けては通れない現状報告という話題で”相手の幸福度”を測り、測られているような気がしてしまうのだ。相手の「最近どう?」に対して、幸も不幸も織り交ざった日常の中からどれを取り出して話すのが正解なのかわからない。過度に幸せアピールもしたくないし、だからといって不幸な面を話して多分、うまくいってる場合が多いであろう相手(同窓会という場に来ている時点でそういうことだと思う)から同情されるのも違う。塩梅が難しい。
頻繁に連絡を取っていたり、定期的なつながりのある相手には嬉しかったことやしんどかったことなど喜怒哀楽を短いスパンで表現する機会があるため、1つの話題だけで「この人は幸せ/不幸だ」なんてレッテルを貼られることはない。
しかし、同窓会は違う。数時間の中で会っていない間の他人の人生を推し測って、幸せの裏の苦労や泥臭さを感じず、不幸の裏の温かさや希望には気付いてもらえない。だからこそ、共通の輪の中で深く関わっていた昔とは違って言葉を選んでしまうし、気を遣う。要は、短時間で会っていない間の自分の人生を他人に判断されたくないし、したくもないのだ。
こんな思いを抱えているわたしは今年も「〇月×日に集まれる方は参加、来れない方は不参加をお願いします」と書かれたグループLINEに空白の〇月×日のスケジュール帳をみながら不参加ボタンを押した。
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