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大学院の1年間を振り返って

東京大学大学院に入学して約1年が経ちました。
東大の環境に揉まれながら、楽しくも厳しい1年間を過ごしました。

新年度を迎える前に、修士課程1年の振り返りを書いていこうと思います。

1.大学院に入ってやっぱりよかった。

正直なところ、学部を卒業して就職するか院進学するかをぎりぎりまで悩んでいました。

自身の周りには、院進学する学生はおらず就職することが一般的と考えれている環境のなかで、自身だけ院進学をすることには勇気が必要でした。

しかし、いざ1年経ってみると進学してよかったなと思います。

1-1 イタリアで感じた興奮と挫折

2022年の夏には大学の支援を借りながら、イタリアで国際学会で発表するチャンスを貰いました。

初めてのヨーロッパ。初めての対面での国際カンファレンス発表。
海外の学生との交流や発表を通じて、刺激を感じるともに、まだまだ自身の実力は世界水準に程遠いなと挫折することもありました。

イタリアでの様々な経験を通じて、視座の高さを一段回あげられたと思います。これまで、日本のなかで日本語中心でしかインプットとアウトプットをしてこなかった自身にとって、グローバルスタンダードの尺度を一つ得れたことは、今も財産となっています。

1-2 JAXAのインターン

修士課程1年の夏にJAXAのサマーインターンに参加しました。

ダメ元で提出したエントリーシートがまさかの通過…。

宝くじは買わなきゃ当たらないと言いますが、とりあえず出してみるものだなぁと身を持って体感しました。

JAXA 相模原キャンパスにて

インターンでの活動内容は以下の記事にまとめていますので、是非読んでみてください。

部署の受入人数が1人であったこともあり、上長にマンツーマンで面倒を見てもらえる贅沢なインターンを過ごせました。

JAXAのエンジニアにいつでも質問ができて、フィードバックがもらえる環境に朝から晩まで身を置き、自身の技術力はかなり向上したと思います。

上には上がいるなぁと毎日ついていくことで精一杯で、毎日帰る時に不安を抱えながらも、終わってみると良い成長痛だったのかなと思います。

1-3 周りが押し上げてくれた。

イタリアでの経験、JAXAでのインターンの両方に共通して言えることが、周りのレベルに圧倒されたという点です。

イタリアでは同年代の学生が自身より数段レベルの高い研究発表を行っていたり、JAXAでは圧倒的な技術力に辟易するなど、思い返せば、成功体験が2割、挫折が8割でした。

ハイレベルな人たちがゴロゴロいる環境に飛び込むことは、怖いし、自身には場違いだと思い尻込みしてしまいます。

しかし、多くの失敗や挫折があったおかげで、視座の高さや広さを広げることができました。

また、失敗を重ねたことによって立ち直るスピードも早くなった気がします。

人から怒られるのが怖かったり、失敗して周りから落胆されることの恐怖は今もありますが、そこを乗り越えないと次のステップには行けないことをこの1年間で身を持って体験できました。

週刊少年ジャンプ「BLEACH」から引用

2. 1/1000を3つ探す

学部時代の恩師が言っていた言葉で今でも大切にしている言葉があります。

1/1000を3つ作ること。1/1000を3つかけ合わせれば10億人に1人の人材になれる。

特定の分野で1番を目指すことは、難しい。
でも、周りの1000人の中で1番を目指すことはそれほど難しくありません。

1つの分野でトップを目指すのではなくて、そこそこできる分野を3つ作ることでユニークな人材になれる。

1000人というと1つの学部の全学年を足した人数、規模にもよりますが、1つの会社の全従業員数くらいの人数ではないでしょうか。

1000人集めた時に、絶対に1位を取れる分野を3つ作る。

サッカーの世界競技人口が約2億6000万人。
サッカーでNo.1になるのは極めて難しいでしょう。

理論上ですが、1/1000を3つ持てば10億人に1人の人材になれます。10億分の1になれれば、希少価値でいえばサッカーNo.1より稀有な存在ということができます。

2-1 自身の1/1000がなにかを考えるための時間

大学院では、この1/1000を探すことを意識しました。

もちろん、学部のときからこれを意識できればよかったのですが、あらゆる誘惑に負けてしまい、気づいたら4年の春を迎え、桜の木に囲まれながら卒業証書をかかえていました…泣。

カイジ 賭博破戒録1巻より引用

学部では実現できなかったですが、大学院はこの1/1000を磨く時間として最適だと感じています。

自身の研究テーマと深く向き合うことで、自ずとその分野のスペシャリストとなっていきます。

筆者は地図に焦点を充てて、大学院で研究しています。

地図の中でも市民のボランタリーな活動によって地図を作るOpenStreetMapと呼ばれるオープンソースの地図をメインテーマに据えています。

この1年間を通して、学内で1番OpenStreetMapに詳しい学生にはなれたと感じています。
学外をみれば自身よりも何倍も詳しい人はゴロゴロいますが、1/1000の部分はクリアできたのかと思っています。

3 さいごに

修士課程の1年間が終えようとしている中で、やはり大学院に行ってよかったなという気持ちは大きいです。

自身の1/1000をまだ3つは見つけられていませんが、これからじっくり考え見つけていきたいです!


日頃は地図に関する記事を書いています。
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