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JAXAとPLATEAUのデータを使って月面クレーターの大きさを実感してみる

国土交通省が主導するProject PLATEAUはご存知でしょうか?

Project PLATEAUでは日本全国の3D都市モデルがオープンに公開されており、誰もが自由に利用することができます。

実際にどのようなモデルが公開されているのかは、PLATEAU VIEW から確認することができます。

PLATEAU VIEWで見た千代田区の様子

筆者は現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)でアルバイトをしており、PLATEAUとJAXAのデータを使って面白いことができないかを考えていました。

そこで、思いついたのは 『月の大きさを実寸台の建物と比較して見る』ということでした。

月面の画像や映像を見たときに、実際の大きさがイメージしずらいと思ったことはないでしょうか?

Photo by NASA on Unsplash

このクレーターはどれくらいの深さなんだろう。盛り上がっている部分の高さってどの程度なんだろう。

月の直径は約3470kmですが、数値だけ見てもいまいち実感が沸きません。

PLATEAUを使えば、月面の大きさと実寸の建物の大きさを比較できるのではないでしょうか?
そうすることで、月の大きさをリアルに感じられるのではないか?と考えました。

JAXAにはDARTS(Data Archives and Transmission System)と呼ばれるアーカイブサイトがあります。

天文学、太陽物理学、太陽地球系物理学、月惑星科学など多分野にわたる宇宙科学のデータがオープンに公開されています。

今回はDARTSで公開されている月周回衛星「かぐや」のデータを使って月の3Dモデルを作り、そこにPLATEAUから引っ張ってきた東京タワーの3Dモデルと比較するという戦略で作業を行いました。

以下のサイトはDARTSで公開されている月周回衛星「かぐや」のDEMデータを3Dモデル(stl形式)で出力してくれるWebサービスです。

https://calm-bush-0abfea300.1.azurestaticapps.net/

欲しい箇所の緯度経度と半径の値を入れるだけで3Dモデルを出力してくれます。

今回はケプラーというクレーターを出力して、東京タワーと比較してみようと思います。

Wikipediaから参照

実際に出力した3Dモデルがこちらです。

クレーターの大きさを1として、PLATEAUから持ってきた東京タワーの大きさを調整して実際に配置してみました。

この画像から、東京タワーが軽々入ってしまうくらい大きなクレーターということがわかりますね。

もう少し引きで見てみるとこのような感じでした。

東京タワーと比べることで、いかにクレーターが大きいかがわかりますね。

写真で見ると小さな凹凸でも、実際はとてつもなく大きかったり、深かったりすることが可視化されます。

PLATEAUのデータを使うことで、月も実寸代の大きさで比較することができます。

大きさのイメージしにくい惑星や宇宙の星々をPLATEAUで公開されている建物データと比較することで、イメージしやすい大きさへと変化させることができるかもしれません。

*本記事は3D都市モデル Project PLATEAU Advent Calendar 2022に投稿しています。

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